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プロローグ
ここに、一人の「座敷わらし」がいる。彼女は長年、古い家で住人に幸運をもたらしてきた。
「なんで人間は、願っていた幸せを手に入れても満足しないのかな?」
「なんで今度の人間は、たくさんのお金を手に入れても嬉しそうな顔をしないのかな?」
「仕事って何だろう?誰のためにお金を稼いでいるのかな?」
座敷わらしは、多くの人間たちを観察しているうちに人間に興味を持ち始め、自分も人間になって社会生活を送ってみたいと強く願うようになった。
「そうだ。不思議な力を自分に使っちゃお!」
座敷わらしはある日、その願いを自力で実現させた。もとは口減しで命を絶たれた可哀想な赤子の魂であったが、今度は大人の人間へと再び転生したのであった。