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あでれーどさま

村に来たのは、数十年前にこの国を追われたという魔女たちだった。

隣の国の王様に保護をされ、隣の国の発展に寄与し、今の王の代になってからは政治の手伝いをしているという。


「教会のやつら、そんなことをしていたのね」


鶏のクリームシチューのパイ包みを食べながら魔女の一人が怒る。


「私が森に閉じ困っている間にこの国がこんなことになって…ごめんなさい」


マルガレーテが謝るが、悪いのはマルガレーテじゃない、教会の奴らだとテッカやヘンデアルがいうと、マルガレーテは嬉しそうに頬を染めた。


「この国の王様は話ができる人だったけれども、気が弱くてね。今はその人の孫?ひ孫だったかしら?」

「数代前から、王とは名ばかりで政治的なものは教会が牛耳っていたそうよ。今の王様はそれをなんとかしようとして、お子さんと王妃様を殺されてしまったの」


ワーホルトにきいた話を魔女たちにマルガレーテが聞かせると、魔女は教会のやり方に怒り心頭に達したようで、丸焼きの鶏や分厚いステーキを親の仇のように切って口に放り込みながら怒っている。


「あらあら、そんなに怒りながら食べると、消化に悪いわよ」


市場のおばさんやジュリアさんが魔女様たちに紅茶を注ぎながら、腹が立ったらこれが一番、と今度は甘いデザートを出してくる。


色とりどりのケーキやタルト、チョコレートに魔女様たちの目が輝く。


「すごいわ。これ作ったのだあれ?」

魔女の一人が聞くと、クマがコック帽を脱ぎながら恭しくお辞儀をする。


「あら、ジュバルツァじゃない。あなた元気だったのね」


そういって、マルガレーテのクマをなでる。

どうやらクマはクマという名前ではなくシュバルツァという名前だったらしい。だが、長ったらしくクマにしてはしゃれた名前なのでこのままクマと呼ばれることになるだろう。


「話は分かったわ。とりあえず王様を何が何でも確保して、その旗印とこっちの国の後見をもとに、この国を教会から取り戻せばいいのね」


魔女の中でも一番年上のアデレードという魔女がマルガレーテにそういう。


「ただ、この国は疲弊していて、長引けば長引くだけ国民が苦しみます」

「この国の主要の街を全部を回るのにどれくらいかかるの?」

「主要の場所だけなら1月かと」

「小さな街や畑は?」

「東西南北に分かれていて、それぞれ細かく回るとそれぞれに1月」

「わかったわ。さっそくそのワーホルトという将軍と話をしましょう」


そういうと、時間を急ごうと馬車に乗り込み、マルガレーテたちと一緒に街へと向かう。

束の間の村の休養はこれで終わりとなった。




街に戻るとワーホルトが出迎えてくれた。

魔女たちを見て、深々と頭を下げ、この国がしたことを詫びる。

魔女はそれをみて、お前がしたことではないので、気にするな、と声をかけると、すぐに話し合いとなった。


いま魔女はマルガレーテを除き13人ここに来ているという。

表向きは隣の国との友好を新たに結ぶため、不作なこの国を救うための穀物をもってきたという体だ。


実際に魔女たちの馬車には見た目の1000倍は収納力のある箱に唸るほどの作物、そして穀物の種、あとは家畜を運んできたという。


「この国の王が友好を望んでくれるのであれば、これをすべて差し上げようとおもう」


その話にワーホルトはしばらく頭を下げたまま動かなかった。


「戦争にならないためにも、この国の教会はつぶすべきだと思う」


魔女アデレード様はこういった。

この街の復活を伝えながら魔女を放射状に4方向に分け、王都の兵士とともに向かわせる。


そして王都とその道すがら主要な都市は王と一緒にアデレードとマルガレーテで回り、畑を治し、教会の取り潰しを命令していくという。


「もし反抗する教会があったり、教会の衛兵が攻撃してきたら…」

「そこは私に任されたい」


ワーホルトが自分がその役目をかってでてくる。


「1月でこの国を戻しましょう」


アデレードの言葉に、ワーホルトは頭を下げ、目じりには光るものすらあった。

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