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おふろはひっす

「教会が家のない子供たちを集め始めたんだ。最初は食べ物と屋根を用意しようっていう、まるで孤児院みたいなやり方でさ」


何人かが教会に世話になるっていって教会に入っていったという。


「俺はあの司祭がどうも信用ならないんで、やめとけっていったんだけどな」


それでも、日々の食べ物に困らない、凍えないで済む屋根がある、その魅力は大きく、数人の子供たちは教会に世話になるといってねぐらを後にして、教会へいってしまったらしい。

そして二度と戻ってこなかった、という。

同じ時くらいに夜に教会を出て王都に向かう馬車が目撃されていたという。


「俺が考えるに、月に何人王都に送り出すっていう決まりかノルマかなんかがあるんだろうと思うんだ。戦争用の兵士として」


身寄りのない子供は兵士にするにはおあつらえ向きの人材だ。剣や弓の扱いなど、物事の吸収が早く、飯と寝るところだけあれば良いし、死んでも文句を言う親などがいない。


「そんなひどい」


テッカの言葉にマルガレーテが非難すると、それが一般的な大人の考え方なんだろう、としょうがなさそうな顔をする。


「ただ、俺たちも馬鹿じゃないから、教会なんかに世話になっていられるかってどうにかしてたんだけどな。それが裏目に出て、教会が家のない子供たちを合法的に強制的に教会に来させようとしたんだ。ヘンデアルたちも見ただろう?」

「ああ、あのへんな立て看板か」

「そう。家で寝ること、っていったって、家のないやつらがいっぱいなんだ。親がいなくて家があるやつは家にとりあえずいることにして、家のないやつらは家のあるやつで匿うのと、あとは街はずれにお屋敷あっただろ?」

「ああ、貴族様の別荘だったかを、金持ちの商人が買ったやつ。あれ、でもここら辺一帯が不作になってめぼしいものがないからって、王都に引っ越していかなかったっけ?」


炭焼き小屋よりもさらに街はずれにある、大きなお屋敷だ。


「市場で俺たちの面倒をよく見てくれたおばさんがいただろう?」


それはヘンデアル達が探していたおばさんのことだった。


「俺たち、ここ数日おばさんの家にいったんだけど、いなくて。おじさんも具合悪かったから心配してて・・・!」

「おばさんな、あの商人にあの家の管理を任されていたんだって。ひょっとおしたらかえって来るかもしれないから、掃除して、いつでも住めるようにしておくようにって。でも家も広いし、おじさんが具合悪くてどうしようかって時に、子供たちが困ってるって聞いて」

「ひょっとして」

「ああ、そのお屋敷に子供たちを匿ってくれてる。あと野菜とかパンとか持ってきてくれてて、俺たちにも分けてくれてたんだ。ただ、人数が多くてどうしても食料が足りなくてどうしようかって時におばさんが森にいるお前たちに相談してみたらって」

「おばさんが教えてくれたのか」

「森に入ったんだけどどこにあるかもわからないし、一回森を抜けて、向こうの国境近くの廃村までいっちゃったし、夜野宿はこわいから、夜歩いて、昼寝てっていうのでずっと探してたんだよ」


テッカはマルガレーテに


「労働でもなんでもするので、子供たちのための食材を分けてはくれないか」

そういって頭を下げる。


「そうね。まずはごはんを食べて少し元気が出たのなら、まずお風呂に入ってもらおうかしら」


テッカに向かって


「それから、どれだけの食材が街に必要なのか、どうしたらいいのか一緒に考えたらいいわ」


にっこりと微笑んだ。

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