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まちにいくまえにちょっときゅうけい

鶏のかごを用意できたちょうどのタイミングで一回街に行っていたグレテルが戻ってきた。


「第一便ちゃんと届けたよー」


山盛りの小麦粉や野菜たちを届け、すぐにもどってきたグレテルは疲れを全く感じさせない笑顔で、台車に肥料と鶏を積み上げていく。


「そんなに積み上げちゃって大丈夫かな…」


心配そうに台車の荷物を見上げるマルガレーテだったが


「さっきはこれよりも積んでたから大丈夫」


というグレテルに口が開きっぱなしになる。


肥料と鶏と卵を積んで、もうちょっと積めるところにさっき収穫した野菜を詰め込むと、なんていうか、崩したら負け、ていう砂山を思い出す状況になっていた。


「さすがにパンやバターは肥料や鶏と一緒にしたくないんだけど、どうしようか」


積み終わったところで、ギリギリまでパンを焼いていたヘンデアルが家から出てきて、積みあがった台車に乗せれそうにないパンの山を見せる。


「さすがにもう台車には載せられないなあ…」


三人とも台車の荷の芸術作品のような出来を見上げていると、家からクマが何かをもって出てきた。


「クマ、何もってるの?」


マルガレーテがそれを受け取ると、それは大きな円筒形の布の袋に背負える紐がついたものだった。

それが全部で3つ。

あと何かの包みをグレテルに渡していた。


「あ、これにパン入れてもっていけって?」


もらった布の袋をうらっ返したりいろいろといじりながら見ていたヘンデアルがそういうと、クマはうんうん、と頷いて、じゃあいってらっしゃい、と家の玄関から手を振る。


「…たしかにこれならパンが縦でいっぱい入るし」

「森の中でも背負っているから邪魔にならないし」

「重さもあまり感じないし、いいかもね」


一人30本くらいのパンを袋に詰め込んで、森の道を街へと下りていく。


「あー・・・だめだわー」


森の半分くらいきたところで、マルガレーテがしゃがみ込む。

朝早く起きて、ご飯も食べずに頑張ったマルガレーテの胃袋が「もうお腹空いて限界!」と訴えていた。


「あ、そういえばクマが、さっきこれくれたんだった」


グレテルが背負っていた袋から包みを取り出す。


「サンドイッチだー!」


トマトとレタスとベーコンとアボカドが挟まったサンドイッチが三人分、大きな包みに入っていた。


「ちょっと休憩して、そこらへんで食べようか」

「そしたら、この先に見晴らしのいいところがあるからそこで食べない?」


グレテルが包みを取り出すと、マルガレーテが休憩場所を提案してきたので、ヘンデアルもグレテルも大賛成、とマルガレーテのオススメの場所に向かう。


「ここから街が一望できるの」

「わー本当だ。きれいな眺めだね」

「たまにここから街を見てたのよ」

「教会の広場も、街外れの炭焼き小屋もここからだとよく見えるね」

「あれ?僕たちの畑…」


街を見下ろすと、昨日マルガレーテが土を元に戻した畑が青々ときれいな穂をつけているのが見える。


「早く全部の畑がああなるといいね」

「そうだね」


街の周りは茶色かかった、あまりきれいとはいえない畑があちこち続いていて、街自体が沈んで見えてしまう、その原因でもあった。


「よし!じゃあ食べ物をジュリアさんところに届けて、それから、作戦開始だ!」


3人はあとちょっとの街までの道を頑張って荷物を運ぶのだった。


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