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デザートをたべながら(改)

食事の後、デザートの前にヘンデアルとグレテルはお風呂に入らせてもらい、クマの入れてくれたお茶とともにデザートを頂くことにする。


「じゃあデザート食べながら今後のこと相談しましょう」

お皿とフォーク片手にマルガレーテがそう宣言した。


「ジュリアさんが見張り役としてつけられてるってことは、市場のおばさんの家に僕たちが出入りしていることは教会が知っていたってことよね」

「おばさんたちがどうなったかがまず心配だね」

「教会のやつらに変なことされてないといいけど…」

「まずは教会の目論見をつぶして、力を削がないとどうにもならないと思う」


ヘンデアルが説明をする。


「教会の目論見は王都に兵士になるための子供を売るってことよね?」

「とりあえずの目先は、だけどね」


マルガレーテの疑問をヘンデアルが肯定する。


「街の畑を育たなくして、街を貧乏にしたら、自分の管理する街が豊かにならないってことだから、メリットはないと思うんだ。何か他に理由があるんだろうか」

「街のみんなを全員奴隷商人に売って利益を上げるとか?」

「街の全員を?それはちょっと現実的じゃないよね。確かに利益はあるかもしれないけれど街が一つなくなったら領主が立ち行かなくなるんじゃないか」


街、ひいては領地に住んでいる人から税をとりたてている領主がそんなことをしたら黙っていないはずだ。


「そもそも穀物が育たなくなって、税が取れなくなって領主は困ってないのかな」

「ここの領地の領主ってたしかアント卿よね?」


マルガレーテが言うと


「アント卿?いや、グラスホッパー卿だけど」

「グラスホッパー卿?聞いたことないわ」

「俺たちのおじいちゃんの時に、王都から来た領主がここの土地を収めたってきいた」

「それまでの領主様は?」

「うーん…そういえば、本来ならいたはずだもんね。聞いたことないな」

「どれくらい前の話だか知ってる?」

「たしか80年くらい前のことだって聞いた気がする」


マルガレーテはちょっと考えて


「私が街から追い出された時と同じくらいね」


とつぶやく。


「ねえ、街の人たちを王都に売りさばくのを阻止するのってどうしたらいいのかしら」

「畑が普通に育ったりしたら、税も収められるし、子供を捨てなくて済むし、親が死んで路頭に迷う子供いなくなれば教会が無理やり人を売ることはできないだろうし諦めるんじゃないかな」

「それであきらめてくれたら、とりあえずは目先の危険はなくなると思うけど」


ちょっと考えてヘンデルはいう。


「畑が急に育った原因は探られるとおもうし、もし魔女の所為だってなったらそれこそ、この森を焼き討ちされかねないよね」


物騒な発言に


「そんなこと!困る!」


マルガレーテがミルフィーユをおかわり、と皿をクマに差し出しながらいうと


「うん、僕もそれは困る、って思ってる」

「畑が元気になって、魔女の所為だとか怪しまれない方法かあ…」

「そんな都合のいいことないわよね」

「どこの畑もみんなマルガレーテのとこみたいにめっちゃ作物育ったら怪しいどころの話じゃないもんね」

「私の畑とおんなじには普通の畑はなれないし、今日みたいにこの街の畑全部を元気にさせるんだったら数か月もかかるし、というか、その間にバレちゃいそう」

「元気のない畑で待ち伏せされたら捕まっちゃうもんな」


マルガレーテもヘンデアルもうーん、とうなったまま、フォークを口にくわえている。


たぶん、いいアイデアを考えていると思わせておいて、ケーキのお替りを考えている顔だ。


「そういえばマルガレーテの畑みたいにはみんなの畑はならないって言ってたけど、それはどうして?」

グレテルがそもそもの疑問を口にする。

「私の畑はね、土に魔法を使ってるだけじゃないの。それだけだったら街にもできるけど、その魔法の土でできた稲や草を食べた牛や鶏や豚の肥料がさらに土を良くしてくれて、そういう循環で私の畑はできているのよ。だからおんなじ風にはできないの」

「それは牛や豚や鶏のうんちで肥料を作ってるってこと?」

「・・・まあそういうことだけど…食事中だから婉曲に表現したのに…」

マルガレーテの気遣いを無視するグレテルであった。

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