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まちのあきや(改)

2019.5.15ちょっと修正

「ヘンデアルは村から台車で家族をのせて街までつれてきて」

「OK」

「僕は家族が隠れ家にできそうな空き家を見繕ってくる」

「わかった…ってじゃあ私は?」

「マルガレーテは…うーん、ここでじっとしててっていっても無理そうだな」


立ち上がって今にもどこかにかけだしそうなテンションのマルガレーテに、ヘンデアルは


「じゃあ、街に一番ちかい畑をどうにかしてみない?」


そう言われて、二つ返事で向かおうとして


「あ、でもそれ誰かの畑だったら、見つかったりしたらなんかまずいことになったりしない?なにやってるー!お前魔女かー!人の畑になにしとんねん!みたいな」

「なんで最後なまってるのかわからないけど、とりあえずそれは大丈夫」

「大丈夫ってなんで?」

「街に一番ちかい畑は僕たちの炭焼き小屋の近くで、僕たちのじーちゃんととうちゃんの持ち物だったからだよ」


ヘンデルがそういってマルガレーテの疑問を氷解させる。


「おじさんちにいくことになっても世話だけはしてたんだ。ま、作物はやっぱり育ちにくかったけど」


そういわれて、マルガレーテは俄然やる気になる。


「任せて!2人の畑に元気を取り戻してあげるから!」



1刻ののち、女性の家族はヘンデルがひっぱった台車で街に到着し、大量の食べ物とともに、ヘンデアルとグレテルが昔住んでいた炭焼き小屋へと無事引っ越しを終えることとなった。


街の外れ近く、ヘンデアルとグレテルの住んでいた炭火焼き小屋は、もともとは大きな畑をもっていたおじいさんの家だ。

父と母が亡くなり不作になった数年前に街の中心に住んでいる母方のおじ叔母の家に二人ともひきとられて、それ以降誰もいない空き家になっていた。


「人が住んでいなかったにしては思ったよりもきれいな状態ね。」


畑を見終わったマルガレーテは炭焼き小屋で合流しヘンデアルとグレテルのもともとの家の中をみてそういう。


「住んでないって言っても、思い出のある家だから、たまに掃除したりきれいにしてたんだ」


そういって、ヘンデアルは家に入っていく。


「ジュリアさん」


そういって、女性を家の中に招き入れた。

あのあと、彼女は自分の名前をジュリア、と名乗り、そして今は家族と街で再会するため、少しの間街の家を抜け出していた。


「奥に部屋が2つ、ご飯を食べる居間、あとキッチンがあります。暖炉もあって、お年寄りでも冬は暖かく過ごせますよ」

「思ったより広いのね」

「教会の人たちの手前、ジュリアさんはしばらくあの街の家にいることになると思うので、食事は僕たちで運ぼうと思います」


そういって、ヘンデアルは持ってきた食材を居間のテーブルに置く。

奥の部屋にはグレテルが連れてきたジュリアさんのお母さんが寝ている。

やはりあまり体調は良くないようだ。


「まずはごはんを簡単でいいから作って、食べて、そして薬をちゃんと飲ませてね。おじいちゃん、おばあちゃん、おかあさんをお願い」


ジュリアさんは年老いたおじいさん、おばあさんに、薬を渡すと

「あまり長く家を空けると、怪しまれるから」

と言って、街の中心のあの家へと帰っていく。


「夜には家にかえることって立て看板あったよね」

炭焼き小屋から、街の入り口に向かう途中、街に乱立する教会の決まり事の看板の一つをヘンデアルは覚えていた。


「そういえば僕たちと仲の良かった家のなかったやつら、どうしてるんだろう。路地裏とか空き家とか雨風しのげる適当なところで過ごしていたんだけど、あの立て看板が立った日以降、そういうところで夜過ごすのは教会の決まり事に違反するってことになっているらしいんだ」

「そういえば、街に人通りがないけれど、それも関係しているのかしら?」

「教会は家のない孤児を教会で面倒をみる、と言って回っているらしい。でもそれは本当じゃない」

「どういうこと?」

「もうちょっと調べてから話すよ」


ヘンデアルは少し考えた風でそういうとそれっきり、森の家に戻るまで黙り込んだままだった。



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