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紛糾

 先程までの髪に関する騒々しさとはうってかわって静まり返った会議スペース。私は良く見えるようにと起立していたのですが、座るタイミングを逃してしまいました。皆の視線が私の頭に集中していますが、誰も何も言いません。私は音のない空間でただ立ち尽くすだけです。

 ここでいたずら心が芽生えます。そんなに注目してるならこんなことしたらどうですか?

 え~っと……、かくかくのびゅーで右矢印。


ビュンッ


 みんな右向きました。ここまで一斉に揃うのも面白いですね。じゃあぐるッとまるからのかくかくのびゅーで上矢印!


フッ、ビュンッ


 一瞬こっちを見直しましたけど今度は上を見上げました。本来なら絶対に会うこともないだろうスーツを着た大人が私の思い通りに動き、ひょうきんな姿をさらすと言うのも面白いですね。そうですよ。確かにこんなことになって物珍しいのはわかりますがクラスメイトからも距離をおかれますし、プライベートは護衛という監視つきでしかも早朝と放課後は検査検査で時間が縛られるので友達と遊ぶこともできません。実際問題、こんなに大事にせずに一番初めの芽だけの時に抜いてしまうこともできたはずなんですよね。それが前例がとかちゃんと検査をしなきゃとかで時間がたてば抜くのは危ないとなりましたし、それでそのあとは研究所と病院をめぐる日々。ここまで来ると実験動物ですね。今日のお客さんも今朝は何も言ってなかったので突然の来訪なのでしょう。何処から情報が漏れたのか、きっと全員が共有化してるのでしょう。伊那社長もこのプレハブのお金を出したことを恩着せがましく言ってましたが私が頼んだわけではありません。結局あなた方が研究をしたくて造ったんですよね。それで私がなぜ感謝をしなければいけないのか疑問に思います。そうなるとこんな小娘に操られている肩書きのある大人を見ればちょっと胸がすきます。

 次第に驚きも覚めたようで頭を軽く振りながらもこちらを睨んできます。今度の視線は若干敵意が混ざりました。そして誰かが言いました。


「人を誘導する力を持つのか! それは危なすぎる!!」

「自由に蔓を動かせるだと!? それでは手が増えるようなものじゃないか?」

「どこまで自由に動かせるのか? しかしなぜあの矢印に惑わされてしまったのか? やはり人の意識を誘導するものなのか?」


 先程の髪の毛の話のときとは違い恐る恐るこちらを見ながら遠巻きに話をしています。未知のものに対する恐怖と戸惑いが感じられるのです。


「とりあえず皆さん落ち着いてください。危ないことはないので」

「危なくないだと⁉ 他人の意識を操ってそれはないだろ!」

「いえ、それは誤解です。そのような効果は観測できてません。彼女のいたずらで矢印は作ったみたいですが皆さんが蔓に集中しすぎてつい釣られたのが原因でしょう」

「いや、それでも実際問題全員が同じ行動をしたわけで」

「一部は釣られなかったですよ。それに何を根拠に操られるというのですか?」


 竹沢さんが沢渡先生に詰め寄っている。沢渡先生、ごめんなさい。だけど他の方達も狼狽えているか何か新しい発見があったときの青柳さんみたいに目をキラキラさせている。いやここの方達はギラギラでしょうか?

 竹沢さんはデメリットの方に意識が向いているが実のところ人を操ることなんてできませんし、いまの段階ではできることなんて少ないです。しかし習熟すれば腕が増えるようなものになる可能性もありますし、人の手ではできないこともできる可能性が広がります。多分。

 ただし頭に植物が生えているときだけですし、枯れてしまえば終わりです。そんな制限時間もあり簡単な話ではないと思います。まだまだ絵に書いた餅ですし、私自身も細かいことなんてできません。

 いまここで絵に書いた餅を豪華にすることになんの意味があるのでしょうか? それよりも私の日常が早く戻ってこないかなと思います。ちょっと今日は疲れているのでしょうか? ネガティブですし、悪口ばかり思い付きます。早く帰りたいです。

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