プロローグ
今日は6、12、18、24時に更新します。(1/4)
2017/05/29 更新しました。
今日は2019年12月19日。間もなくクリスマスである。時刻は19時となり、外では地球温暖化の進む現代では珍しく雪が降っている。
俺、三葉良人は家の中でダラダラしていた。
「クリスマスはリア充の日!爆発しろ!」
なんて言いながら去年まで非リア歴=年齢だった俺だが、つい先日非リアを卒業したのである。
俺の自慢の彼女の名前は美空キリカという。長い茶髪の女の子で、俺の幼馴染でもある。
俺は立派なリア充様なのだ!(ドヤァ)
不意に、俺のスマホが震えた。……そのキリカからメールが来たみたいだ。
内容は、キリカの家の父親が営んでいる洋菓子店の飾りつけの手伝いをしてほしいというもの。
『もちろん!キリカの頼みなら何でもするぜ!』
送信っと。
手伝いの後に貰えるモンブランを想像してニヤニヤしながら送信ボタンに指を押し付けた次の瞬間だった。
「お前が三葉良人か!?」
そんな怒鳴り声とともに玄関の扉が文字通り吹き飛んだ。
華麗にダイナミックお邪魔しますをしてきたのは黒ずくめの男二人。
見るからに不審者である。
「え、あ、はい」
口から出たのはそんな間抜けな声だった。
いや、だってどう反応したらいいかわからないし。
「黙れ。おとなしくしろ」
本人確認に答えたのに黙れとは理不尽な……。
二人が懐から取り出したのは拳銃だった。
まぁ、偽物だろうけど。
男が引き金を引いた瞬間、火薬が破裂する音が聞こえた。
自分のすぐ後ろにある冷蔵庫に穴が開く。
「……おとなしく俺らに従え」
…………本物かよ!?
「うおぉぉぉっっ!!」
隣の部屋へダイブし扉を閉める。
まだ死ぬわけにはいかない。
どうせついていってもロクなことにならないだろうしな。
窓を開けて外へ飛び降りようとしたところで、
再びの破裂音。それと同時に左わき腹が熱くなり、右前方向へと吹き飛ばされる。
「あ……」
撃たれたと気づいたときには床に転がり、吹きだすように脇腹から血がでている。
うん、ヤバい。
これは、ヤバい。
真っ赤な血が床をゆっくりと呑み込んでいく。
「おい、殺してないだろうな!?」
「大丈夫だ」
なーんも大丈夫じゃねぇよ。
血が流れてゆく。
体が冷たくなってゆく。
そして。
意識が
途切れた。
何も、聞こえない。
何も。
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俺が意識を失う直前、スマホが震えた。
『良かった!
じゃあ、明日は9時にお店に来てね!』
……その約束が果たされることはなかった。
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「やぁ」
突然、声がした。
振り向こうとしたが、できない。
体が動かない。
何があったんだ?たしか、男達に拳銃で撃たれて――――?
「いや、君は死んでないよ?ちょっと陰謀に巻き込まれただけさ。まぁ、僕が唆したんだけどね」
とてもうれしそうな声音だった。
「それにしても君、面白い名前だね。【イラト】か。よく見れば顔も同じ。こんなこともあるんだなぁ……」
さっきから言っていることの意味が分からない。
俺の名前がどうかしたのか?
「じゃあ、君にはコレをあげよう。君に面白い【運命】がありますようにってね」
悪寒がした。
同時に何かが自分の中に侵入してくるような感触。
そして、俺の意識は再び閉ざされていった。
大分意味分からなかったかと思いますが、次回からしっかり本編が始まります。
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1話分の文章量が増えるかも…………?