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・霹靂とはいつ襲い来るものか、誰にも分からないものだ。
ある少年が学校の男子トイレの個室に入ってWSクリスタルをいじりながら用を足していた時の事だ。
ちょうど某少女漫画出身のロボットアニメが参戦したソフトでその主人公機の戦闘シーンに入った瞬間。
実機であれば実機が壊れるんじゃないかというようなBGMが流れたであろう。
しかし、そのBGMは実機からではなく入口の方から聞こえてきた。
「ドーミナストゥーサルゥースアルティシミュース……! カムサンクトゥススピリッツ、カムサンクトゥススピリッツノォォビス!! KYRIE!!!」
明らかに少年の声でも、一人の声でもないラテン語の合唱が男子トイレで発生していた。
突撃はいらない主人公機の戦闘アニメにものすごく会っていた為思わず興奮した少年はすべてを終わらせ、個室から出ると、そこには一匹のフクロウがいた。
・ここは海底監獄。今日は音使いのゲーマー青年が遊びに来ていた。
囚人達が作り上げたゲームのデバッグを頼まれていたのだ。
「……」
テレビにケーブルを差し込み、某ロボット達が集まるシミュラマゲーム同様の風景が流れるがコントローラはそのゲームに参戦しているロボの超合金フィギュアだった。
それを某時代に飛び込む勇気のダイバーのおもちゃのように手で動かしてプレイする画期的なものだった。青年は採用の旨で報告書を書いたが、百合がないと言うことで同い年の担当に却下された。
「まあ、そういうこともあるわよ」
「……お前の食費を稼ぐためでもあるんだがな」
帰りに赤い糸で結ばれた少女と共にカツ丼を食べながら青年は冬の有明を泳いでいった。