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海底監獄のカツ丼屋さん  作者: 黒主零
16/20

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・才能という言葉がある。それは決して鍛錬では賄えないものだ。

「いらっしゃいませ」

とあるトリマーが店で受付をしていた。

るらら……と音を鳴らして自動ドアを開けてやってきた来客は某腐安定な姫様を現代風にしたような10代後半くらいの女性だった。その腕にはプルプル震えてぐったりしたマスティフの子犬が抱かれていた。

暑い時期だ。口吻マズルの短いマスティフでは呼吸の都合でもしや何か具合でも悪いのかと思って表情の色を真剣に変えて客には見えない位置の店員呼び出しボタンを押しながら尋ねた。

「今日はどうされましたか?」

年下の同僚や非番のはずなのに何故かいた店長が後ろに姿を見せるのを気配で感じながら問うた。

すると、彼女は口を開いた。

「最近私可愛いんですけど」

「……は?」

沈黙。現状を理解出来ない数秒。やがて無限とも言えよう思考の果てに得た意味に外野や相手に構わず吹き出してしまった。

その日の内に彼は店長直々に辞職クビを要求された。


・海底監獄。今日は久々に野球をやることになった。

全員が苗字鈴木なチームと全員が佐藤と言うチームの試合にどこかの突っ込み要員が全力で突っ込みながらも試合は始まった。

「……どんな玉が来ようと打ち抜いてみせます」

バットを構える赤羽。ピッチャーは、ラモンだった。

「なんで私だけifじゃないんだよぉぉぉぉぉっ!!! パワー行使サブマリン!!」

カードで数倍に強化され、投げられた玉を赤羽は打てず、キャッチャーだった死神の股間に命中した。

「自分が何をしたって言うんだァァァァァァッ!!!」

倒れながら叫ぶ甲斐にカツ丼屋さんは呟く。

「愉悦」

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