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・有明の海に飛び込む男が3人いた。
黒い服を着た背丈2メートルの男二人に左右から挟まれて
海に飛び込んだのは受刑者である。
それも海底監獄に収容されることが決定した。
この男、とんでもないことをした。
組織ぐるみでコミケ中に会場含めた付近中のトイレを
全て占領してリアルタイムでくるくる○るりんの同人誌を書く
という卑劣な犯行を企てていたのだ。
北島もビックリな程の素早い平泳ぎで黒服と共に
マリアナ海溝まで連れて行かれた男はそのまま水深1万メートルの
海底にある海底監獄に収容された。
と、黒服と入れ違いになるように一人の男が泳いできた。
まるでラーメン屋の屋台か
サンタクロースがトナカイで率いるプレゼント橇のような
荷車を背負ってにこやかな笑顔のまま160ノットの速度で監獄に向かっている。
そう、この男こそが海底監獄に収容された受刑者達にカツ丼を届けるため
東京町田市からやってくる海底監獄のカツ丼屋さんだ。
「・・・来たか。」
監守がジャンプ最新号を読んでいるとそこへカツ丼屋さんが来た。
「いいかな?」
「どうぞ。」
もう20年以上はこうしているため
目も合わせずにカツ丼屋さんが監獄の中へと入っていく。
重い鉄扉を片手で開けてカツ丼屋さんが中に入ると
中では20人の受刑者がパワ○ロくんで盛り上がっていた。
「カツ丼屋さんだ!」
「待ってました!」
「さあ、おたべ。」
カツ丼屋さんは人数分のカツ丼を配り監守にはニ○コイの最新刊を届けて
再び背泳ぎで優雅に海を泳いでいった。