16
2編です
「16」
東から出て西に沈み
跡形もなく昨日は去っていく
そして今日もまた去っていくことだろう
今、貴方はどうしているだろうか
時の風に乗せて
この平凡な問いを
貴方に届けてみたい、陳腐だけれども
「17」
小さな木の芽が顔をだし
僕はそれをふんづける
まるで僕の顔をふみつけるように
憎しみを込めて
ふんづける
穏やかな顔をして
明日は晴れるのだろうかと
気の抜けた声を漂わせながら
見開いた目は
新たに生えてくるだろう木の芽を
今か今かと待ち望んでいる
再び生えた木の芽
それは空虚な
貴方の笑顔そのものだ
有り難うございました