だい7わ
”きっと、ジュエリーヌは人買いの一味に捕らえられていて、必死の想いで逃げ出してきたんだ”
ケビンの推理(?)は続く。
”あの、猥褻でふしだらな格好、それにあの刺青--”
ケビンの前に飛び出してきたときのジュエリーヌの服装は、殆ど裸同然の格好だった。布地と言うような部分は限りなく肌が露出した、細い紐だけを巻いたような服装だった。左右の乳輪と、陰部だけに辛うじて面があてがわれ、後は線だけと言ってもいいほどの代物である。おまけに右の尻には、唇のような模様の彫り物がある。
”彼女は奴隷商人にかどわかされて、ひどい仕打ちを……”
義憤に掻き立てられた想像力はドンドン具体化してゆき、ケビンの正義感を熱く燃やすのであった。
”でも……”
それにしては清潔で奴隷と言うような扱いをにおわせる、傷痕など虐待の痕跡を伺わせる様なものは無い。衣装は露出の多い服装の他、小豆色に近いショートブーツと手袋を身につけていた。不思議とチャーミングで小粋な感じもしないではない。
”きっと、もうすぐ売りに出される所だったんだ。傷が目立つといけないんで、その間はうわべだけきれいに取り繕っていたんだ”
ケビンの想像は一層肉付けされ、益々実感を増してゆく。
「マスター?」
ジュエリーヌは、不思議そうな面持ちでケビンを見つめている。