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だい6わ
「マスター」
謎の女、ジュエリーヌはケビンをこう呼んだ。
「え、あの、その……」
正直ケビンは戸惑っている。
「あの、マスターって……」
口ごもるケビンに対し、ジュエリーヌは不思議そうな表情でこちらを見つめていた。
「マスターって言うのは……」
「--」
ジュエリーヌは少し怯えたような顔で答える。
「……もしかして、ご迷惑だったりいたしましたりするんでございましょうか?」
「え、その、別にそういう意味じゃあ……」
ケビンはうろたえながら言った。
「その、君がそう呼んでくれるんだったら、それで別に……」
「ホントー……だったりいたしますですか?」
「う、うん、本当に」
「嬉しい……」
ジュエリーヌはほっ、と小さく溜め息をつくように言った。
その姿に、ケビンは胸を熱くした。
”そうか”
ケビンは独りで納得した。
”彼女は、男をそんな風に呼ぶように強制されてたんだな”




