31/44

だい３１わ

妄想が止まらないケビンに、ジュエリーヌは呼びかける。

「いつもいつも、マスターのことを誘惑してしまったりいたしまして、ゴメンなさいです」

”そう思うんだったら自重してくれ”

「ジュエリーヌ、マスターを挑発したりしてるけど、ホントはとっても怖かったり致しましたりするので御座います」

「ジュエリーヌ……」

「もしも、マスターが辛抱堪らなくなって、ケダモノさんしちゃったりしたときには、ジュエリーヌ、どうしようかって、いつもドキドキなんで御座いますのです」

意地らしくも愛らしい、ジュエリーヌの一言に、ケビンは胸が痛むような想いだった。

「マスターはとっても優しくて、ジュエリーヌのことを大切に思ってくださってるけど、やっぱり殿方でいらっしゃったりしちゃう以上は、そういうことが好きだったり……」

「あ、あははははは――」

動かしがたい事実をずばりと指摘されては、ケビンも答えようが無い。

「調子に乗って誘惑してるうちに、おしりかじり虫さんになっちゃったりして、ジュエリーヌの事を襲っちゃったりしたら……」

「いい子だね、ジュエリーヌ――」

ここでまたしてもケビンの妄想。

「俺はおしりかじり虫だあ――！」

「あ～れ～ーー」

”一体何なんだ……”