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だい23わ
「ま、ま、ま――」
ジュエリーヌの悩殺攻勢に押され気味になりながらも、ケビンは必死に持ち堪えていた。
「待ったー――!」
「マスター――」
既にジュエリーヌの瞳は潤んで、声はかすれかけていた。
「何を待つんでございますです?いつまで?どこまで?」
こちらの首に手を回し、顔を近づけてくるジュエリーヌの魔力に、朴念仁の面目をかけてケビンは立ち向かっていた。
「い、いや、いや――」
逃げ場のないケビンは、それでもこの機器を逃れんと抵抗を試みる。
「落ち着け、落ち着くんだ――」
ジュエリーヌの肩に手を置いて、ケビンは声を励ました。
「マスター――」
色っぽい流し目をこちらに向けながら、ジュエリーヌは怯む事無くケビンに囁いた。
「ここまできて、怖気づいたりなさいましたりいたしますなんて、男らしくございませんですのことですわよ」