だい17わ
懲りもせず同じ事を繰り返すケビン、だが、本人は必死でその愚かに気づかない。このやり取りは完全に二人のお約束と化し、以後何度も何度も、事あるごとに繰り返されるのであった。
「俺、不器用で、女の子の気持ちを良く分からないかもしれないけど……」
「マスター……」
「あの、なんて言ったら良いのか……」
ケビンは何を言うべきかも輪kら無い。
「その……お願いだ、ずっと俺のそばにいてくれ、ジュエリーヌ」
「……良いんでございしたりするんでしょうか、マスター?」
「俺がお願いしてるんだよ、ジュエリーヌ。君の気持ち次第だけど」
「……」
ジュエリーヌは黙ってケビンの瞳を見つめていた。
ケビンもジュエリーヌを見つめていた。
恐らく、ジュエリーヌの眼差しには一種の催眠効果のようなものがあったのだろう、ケビンは魅入られたようにその澄み切った瞳を見つめ続けた。
「……マスター……」
豊穣な美肉に包まれたしなやかな女体を恥ずかしげに身もだえしながら、ジュエリーヌは頬を赤く染めた。
「今のお言葉、信じちゃったりしても宜しかったりいたしましたりするんでございましょうか?」
「え?」
「ジュエリーヌは、マスターのお言葉を本気で受け取っちゃったりいたしましたりするんでございますけど」