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だい10わ
「魔女……?」
ケビンの問いに、ジュエリーヌはうなずいた。
「……ジュエリーヌはあ、マスターに、マスターになってもらいたくて」
要するに、ケビンにマスターになってもらいたくて、と言いたいらしい。
「……だけど、なんていってお願いしたらいいか分からなくて……」
再び両手で顔を覆うジュエリーヌ。
「……」
ケビンはいうべき言葉も無い。
「それじゃ、あれは?」
「あれ?」
「奴隷商人に捕まって、売られそうになったって言うのは……?」
ジュエリーヌはキョトンとしている。
「……あの、それって、どういう……?」
人買い云々と言うのはケビンが勝手に妄想逞しく思い込んだ話であって、ジュエリーヌの方は一言もそういうことは口にしていない。
「あ、いや、別に、こっちの事だから……」
ケビンはうろたえるように言い訳がましい口調で言った。
「わあああああああ--」
再び顔を手で覆ったジュエリーヌが、声を放って泣き始めた。
「ゴメンなさいでございますですう--」