表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
心剣士  作者: リュカギン
第三章 鉄壁のレサリア

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/30

第14話 EP03-02 二人は似てる?

自分が読みたい物語を、趣味で書いてます。

オリジナル小説のみです。

 オレのは『新実にいみ 健二けんじ』。内地ないちでは、中学校ちゅうがっこうかよ中学ちゅうがく二年生にねんせいの、ごく普通ふつう男子だんしだ。

 今日きょう平日へいじつ中学校ちゅうがっこう教室きょうしつにいるから、中学校ちゅうがっこう制服せいふく半袖はんそでのワイシャツにくろのスラックスにくろのスニーカーである。


 美月みつきが、オレのかよ中学校ちゅうがっこう転入てんにゅうしてきた。人付ひとづいの苦手にがてなオレでも気軽きがるはなせる美少女びしょうじょが、クラスメートになったわけだ。素晴すばらしい学生がくせい生活せいかつ約束やくそくされたとっても、過言かごんではあるまい。


問題もんだいは、美月みつきほうか……」

 オレは、自席じせきあしんですわって、片手かたてあごさすって、思案顔しあんがおつぶやいた。

 ……キマった! また、かくれファンがえてしまうな?


 美月みつきは、ゲシュペンストの関係者かんけいしゃ警戒けいかいされ、クラスメートに遠巻とおまきにされている。初手しょてがコレでは、せっかくの普通ふつう学校がっこうが、孤独こどくさびしい場所ばしょになってしまいかねない。


 やはり、ここは、このオレがなんとかしてやるしかないか!


   ◇


 ようするに、美月みつきこわくないとしめせばいい。となりせきのオレが、美月みつき笑顔えがおにすればいい。

 とっても簡単かんたんだ。


美月みつき教科書きょうかしょまだだろ? オレのるだろ?」

 オレは、つくえうごかそうと、せきからこしかす。

 美月みつきが、無表情むひょうじょうてのひらし、オレを制止せいしする。

大丈夫だいじょうぶよ。騎士団きしだん調達ちょうたつしてもらったから」

「あ、あぁ。そ、それならいいか」

 オレは、落胆らくたんかおさないようにわらって、せきすわった。


   ◇


つぎ授業じゅぎょう理科室りかしつだぜ。案内あんないするぜ。一緒いっしょこうぜ」

「マップは記憶きおくしてきたわ。そんなに気遣きづかいしなくても、なるべく面倒めんどうかけないようにはするから」

「あ、じゃ、じゃぁ、トイレくだろ? オレもきたい」

「……!?」

 美月みつき気味ぎみに、さげすむようなでオレをた。


   ◇


 ……せぬ。こまった。なか上手うまくいかないものだ。

 昼休ひるやすみになった。昼食ちゅうしょくさそうくらいはゆるされるだろうか。何故なぜだかわせてくれないんだけど。


 給食きゅうしょく制度せいどはないので、お弁当べんとう学食がくしょくになる。今日きょうは、かあさんがつくって、身悶みもだえするほど可愛かわいくて可愛かわいくて仕方しかたないいもうともお手伝てつだいしてくれた、女神めがみ!、圧倒的あっとうてき感謝かんしゃ愛妹あいまい弁当べんとう持参じさんしてる。


美月みつき ゲシュペンストさん。ワタクシのおひるに、っていただけますかしら?」

 ゲシュペンストのじることなく、美月みつきせきまえにレサリアがった。ことわることはゆるさない、みたいな真顔まがおだ。


 何故なぜかオレが、戦々(せんせん)恐々(きょうきょう)として、レサリアをた。これが、生意気なまいき転入生てんにゅうせいす、ってイベントか!

 美月みつき心配しんぱいだけど、でもむしろ、おそれてちかづかないよりは可能性かのうせいがあるがする。本気ほんきなぐいからまれる友情ゆうじょうがあってもいい、とおもう。不安ふあん半分はんぶん期待きたい半分はんぶん思考しこう真ん中(センター)せめう。


「ついでに、新実にいみくんも、御一緒ごいっしょにおねがいいたしますね」

 オレにもしてきた。


   ◇


 騎士道きしどうクラブの部室ぶしつはいる。

 学校がっこう敷地しきちすみに、部室棟ぶしつとうばれる建物たてものがある。本校舎ほんこうしゃとかとおな鉄筋てっきんコンクリートの五階ごかいてで、なか教室きょうしつ半分はんぶんくらいのひろさの部屋へやならぶ。その一室いっしつである。

 ここはクラブ活動かつどう無法むほう地帯ちたい、もとい、自由フリーダム校風こうふうで、サッカークラブや園芸えんげいクラブといった普通ふつうのものから、ツイスタークラブやサメ映画えいが研究会けんきゅうかいといったトンチキなものまで、様々(さまざま)なクラブがある。騎士道きしどうクラブは、騎士きしっぽいことを探求たんきゅうする、トンチキりのクラブである。


食事しょくじたのしみながらで、よろしくてよ。おはなしがありますわ」

 レサリアが、猫脚ねこあししろいイスにすわって、猫脚ねこあししろまるテーブルに、かわんだバスケットをいた。

 オレも美月みつきも、壁際かべぎわはがね全身金板鎧フルプレートメイル置物おきものにしながら、すすめられるままにしろいイスにすわる。騎士きし物語ものがたり武道書ぶどうしょのギチギチにおさまる本棚ほんだなになる。


 全部ぜんぶ、レサリアの私物しぶつなんだろうな、とおもった。


 ファンシーなピンクいろ弁当箱べんとうばこひらきながら、美月みつきくちひらく。

「どうして、ワタシにかまうの? あさがアレだったのに」

 おいおい。あさは、あんな反応はんのうをしてしまったのに、一緒いっしょ昼食ちゅうしょくさそってくれて、ありがとう。って、ことだな?

 完全かんぜんに、人付ひとづいの苦手にがてひと言葉ことば選択チョイスである。オレも苦手にがてだから、急速きゅうそく親近感しんきんかんく。


 レサリアが、神妙しんみょうかおこたえる。

「ワタクシと美月みつきさんは、境遇きょうぐうていますの」

全然ぜんぜんてないぜ?」

 オレはおもわず、即座そくざにツッコミをれた。

 外野がいやだまってろ!、みたいな迫力はくりょくで、レサリアにクワッ!とにらまれた。

 だって、だって、外地がいち農村のうそんそだって魔物まものおそわれて騎士きし養子ようしになった美月みつきと、まれたときから名門めいもん騎士きし家系かけいのレサリアじゃぁ、境遇きょうぐうちがいすぎるだろ?


   ◇


八年前はちねんまえ苛烈かれつたたかかたられる、ふたつの騎士団きしだんがありましたわ」

 レサリアが、神妙しんみょうかおのまま、かたはじめた。

ひとつは、もっと危険きけん配置はいちのぞんで配備はいびされる『赤薔薇レッドローズ騎士団きしだん』。ひとつは、任務にんむ遂行すいこうのためなら退路たいろすら放棄ほうきする『ゲシュペンスト騎士団きしだん』」

 赤薔薇レッドローズ騎士団きしだんはレサリアの伯母おば騎士団長きしだんちょうつとめる。ゲシュペンスト騎士団きしだん美月みつき養父ようふ騎士団長きしだんちょうつとめる。

数多あまた功績こうせきをあげましたけれど、毎回まいかい被害ひがいおおきく、臆病者おくびょうものどもからのねたみやうらみもおおかったときましてよ」


 かる。ゲシュペンスト騎士団長きしだんちょうは、からして、そんなかんじがある。でも、『八年前はちねんまえにあった』とは、『いまちがう』という意味いみでもある。


「そのふたつの騎士団きしだんに、転機てんきおとずれましたの。すでにおさっしのことでしょうけれど、『赤薔薇レッドローズ騎士団きしだん』にワタクシが、『ゲシュペンスト騎士団きしだん』に美月みつきさんが、入団にゅうだんしましたわ」

「ワタシは、そのころはまだ入団にゅうだんしてないわよ?」

 美月みつき勇敢ゆうかんにも、訂正ていせいはさんだ。

 美月みつきも、レサリアにクワッ!とにらまれた。

たようなものですわ。団内だんないあたらしい超新星スーパールーキーあらわれましたことで、ふたつの騎士団きしだんともに、被害ひがいおさえる堅実けんじつたたかかたへと、変化へんかしていきましたの」


 なるほど。それもかる。

 美月みつきくゲシュペンスト騎士団きしだんが、とてもやさしい印象いんしょうけた。赤薔薇レッドローズ騎士団きしだん同様どうようなのだろう。そこを、境遇きょうぐうていると、レサリアはかんじたのだろう。


「この『鉄壁てっぺきのレサリア』の入団にゅうだんで、苛烈かれつたたかかたをせずとも、功績こうせきるに不自由ふじゆうはない、と確信かくしんなさったのでしょうね」

 レサリアが、ほこらしげにかえった。かえっても、たいらなむね清々(すがすが)しいほどにたいらだ。

「カワイイめいだんはいって、無茶むちゃをできなくなったんだな」

 オレは納得顔なっとくがおうなずいた。

「……?!」

「……?!」

 しまった。発言はつげんのタイミングがかぶってしまった。しかも、おたがいにおもってたことがちがって、オレもレサリアもショックをけた。


「かっ、かっ、可愛かわいいですって?! ワっ、ワタクシはっ、立派りっぱ騎士きしにっ」

 レサリアが、赤面せきめんして動揺どうようした。

可愛い(そっち)反応はんのうするんだ……?」

 美月みつき困惑顔こんわくがおつぶやいた。


   ◇


 レサリアが、まだ赤面せきめんしたまま、ひと咳払せきばらいをする。

「こほん。おはなしといいますのは」

 レサリアのバスケットの中身なかみは、サンドイッチとサラダだ。オシャレではなやかなだ。

「ワタクシ、『鉄壁てっぺきのレサリア』が、ついに! ……いけませんわ、すこ興奮こうふんしてしまいました。ついに、正式せいしき騎士きしとなりますための試験しけんけることになりましたの」

「おおっ! ついに、ぜっ……、『鉄壁てっぺきのレサリア』の騎士きしデビューか!」

 オレもすこ興奮こうふんした。

 レサリアがほこらしげにつづける。

確約かくやくされましたも同然どうぜんですわね。つきましては、ワタクシは防御ぼうぎょタイプですので、試験しけんへの一名いちめい協力きょうりょく許可きょかされていますの。それを、美月みつきさんにおねがいできませんかしら、と」

 言葉ことば最後さいごは、ちょっとれたかんじだった。


 初日しょにちから確変かくへんた! 本気ほんきなぐいこそさそうだけど。孤独ボッチから脱却だっきゃくするのに、友情ゆうじょう芽生めばえるのに、十分じゅうぶんなイベントだ!


 美月みつきが、こまがおをする。

 なにこまる!?

 まようように、らす。まようように、ひかえめにくちひらく。

 なにまよう!?

「……ワタシ、戦闘せんとうけいじゃないから。ごめんなさい」


「……っ!?」

 予想外よそうがい返答へんとうに、レサリアがショックをかおした。

「……そうだったっ!」

 オレはあたまかかえてテーブルにした。

「……それは、仕方しかたありませんわね。ワタクシのほうこそ、浅慮せんりょたのみごとをしてしまいまして、ごめんなさいませ。でしたら、新実にいみくんにおねがいいたしますわ」

「それが、いいとおもうわ」

 またオレにしてきた。



心剣士

第14話 EP03-02 てないとおもう/END

読んでいただき、ありがとうございます。

楽しんでくれる人がいると、書く励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ