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【第一章完結】抜きゲーみたいな世界に転生した童貞〔オレ〕は嫁を100人作ると決心した! ※決心しただけなので出来るとは言っていない。でも出来なきゃ死ぬらしい……  作者: 日之影ソラ
第二章 出会いと妄想の新生活

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孤独騎士の誘惑②

「そうか……失念していた。結婚しているということは、すでに肉体関係を経ている可能性があったのか」

「その通りだ。俺にとって裸体など、見飽きているのさ」

「なんという誤算だ! 天才である私の裏をかくなんて、やるじゃないか」

「はははっ、出直してくるといい」


 お?

 なんかこの子ノリがいいな。

 痛いテンションの話にもついてきてくれるし、ちょっと心地いいかも。


「くっ、な、ならこれでどうだ!」

「――!」


 次にラランはタオルを捨てた。

 タオルがなくなったことで、彼女の全身が視界に入る。

 すぐに手で恥ずかしそうに隠すが、タオルと手では面積が大きく異なる。

 故に全てを隠すことは不可能!

 見えたり、見えなかったり。


 タオルを豪快に捨てておいて手で隠すのは恥ずかしさ故かと思ったが、違う!

 あえての手だ。

 堂々としすぎていてもエロさが足りない。

 そこであえて手で隠すことで、背徳感を増している。

 この女、中々考えるじゃないか。


「ど、どうだ? 嫁以外の裸なんて、そうそう見られないだろ?」

「確かに……だが、俺には通じない!」

「な、何!」

「侮るなよ! 俺は新婚ほやほやの妻帯者だ! 妻以外の裸に興奮すると思うな!」

「くっ……なんて真面目な男なんだ!」


 やっぱりノリいいなこの子!

 話しているとついテンションが上がって楽しい。

 まぁちっともエロい気分にはならないけどな。

 裸の男女が風呂場で二人きりというシチュエーションなのに、不思議な現象だ。


「くくくっ、だが本当にそうかな?」

「なんだと?」

「さっきからお前は、湯船につかったまま動かない。股の下を隠してるんじゃないのかな?」

「――!」


 ラランはニヤリと笑みを浮かべた。

 確かに俺は湯船に座ったまま、一度も姿勢を変えていない。

 ラランの角度からでは俺の股間は見えないだろう。

 彼女はこう言いたいのだ。

 口では興奮しないといいながら、身体は正直ね……と。


「残念ながら俺の股間レーダーは無反応だ」

「強がりだな! 男が女の裸を見て、何も反応しないなんてありえない!」

「確かに、かつての俺なら反応してえいただろう。だが非童貞となった今は別だ! 断言しよう! 貴様のその貧相な身体では、俺の股間レーダーは反応しないと!」

「なっ、ひ、貧相とかいうなよ! まだ成長途中なだけだからな!」

「あ、ごめん調子にのった。気にしてたんだな……」


 体系のコンプレックスをいじるのは男として最低だ。

 今の発言には反省しよう。


「俺は小さいのも好きだからな」

「う、うるさいな! フォローになってないんだよ! てかそれなら、やっぱ興奮してるんじゃないのか!」

「悪いがそれはない! 証拠ならここにあるぞ!」

「ひっ!」


 俺は湯船から立ち上がった。

 レーダーは下を向いてしょんぼりしている。

 残酷だが、今の俺を興奮させられるのは愛する嫁たちのみだということを……。


「ひ、ひ……」

「ん?」

「ひやああああああああああああああああああああ!」


 ラランは悲鳴をあげて逃げ出した。

 

「……なんで?」


  ◇◇◇


 お風呂から出て夕食の時間になる。

 テーブルには家庭的な料理が並んでいた。

 ジーナがお皿を用意しながら言う。


「なるほど。あの悲鳴はそういうことだったのか」

「ずるいぞ! あたしだってタクロウと一緒にお風呂入りたかったのに」

「明日は一緒に入ろうな」

「おう! やったー!」


 カナタと一緒にお風呂。

 明日のことを想像しただけでレーダーが反応するぜ。

 わかりやすい身体になったものだな。


「お、お前らあれ……こいつとやったんだよな?」

「あれって?」


 無自覚なカナタは無慈悲に質問を返す。

 ラランは顔を真っ赤にして、目を逸らしながら言う。


「だからその、セ、セ……」

「夜は毎日ハッスルしていますよ。おかげでうるさくて眠れません」

「んなっ!」


 答えたのはサラスだった。

 不機嫌な彼女は頬を膨らませて文句を言う。


「ま、毎日……」

「そうですよ! 少しは周りのことも考えてほしいです!」

「それはすまん。気をつける」

「何回も聞きましたよ!」


 だって気にするつもりないからな。

 夜は夫婦の時間だ。


「ま、まさか今夜も……ここで?」

「いやいや、さすがに他人の家でそういうことはしないから」

「そ、そうか。そうだよな……も、もしもの時は私が出ていくから安心してくれ」

「そこまで気を遣わなくても大丈夫だ。私たちは気にしない」

「こっちが気にするんだよ!」


 ラランがジーナにキレた。

 これはごもっともだ。

 普通は気にするぞ……俺も気にするからな!


 話してばかりで食事に手を付けていないことに気づく。

 せっかくの料理が冷めるので、一先ず手近にあったスープを口に入れた。


「これ美味いな! ラランが作ったんだろ?」

「え、ああ、料理は割と得意だからな」

「これ何のスープだ? 塩加減も俺好みだし、今度作り方教えてくれよ」

「お、おう。いいぞ? そんなに難しくないから簡単だし、というか料理するのか?」

「ああ、一応な」

「へぇ、意外だな。男が料理するって」


 家事は女性がするもの、みたいな考え方がこっちの世界にもあるのだろうか。

 俺の場合は長く一人暮らしだったから、自然と覚えただけなのだが。


「明日は俺が作るよ。ご馳走になってばかりも申し訳ないしな」

「いや、別にいいよ。私は気にしないから」

「俺は気にするんだよ。そうだ。どうせなら明日教えてくれ。代わりに俺も、異世界の料理を伝授しようじゃないか」

「本当か! それは楽しみだ!」

 

 ラランと料理の話で盛り上がる。

 彼女のことは、まだわからない部分のほうが多いけど、こうして他愛もない話をする時間は悪くないと思った。

 夫婦になれるかはわからないけど、仲良くはなれそうだな。

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