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第三話 街へ

今日は二本も投稿しちゃうっすよ、うへへ

 戦闘後、周りを見ると冒険者の人達が倒したゴブリンの右耳を切り落としていた。


「何してるの?」


「ん?ああ、嬢ちゃんは冒険者じゃないんだったよな。これは討伐証明っつって、魔物を倒した証明みたいなものだ。本当は死体を持っていくのが一番なんだが、こいつらみたいに死体が役に立たないとかでかすぎて持ち運びできないなどの理由で死体回収をしない時は、代わりに定められた部位を提出すれば討伐が認められるんだ」


「ふーん」


「嬢ちゃんも冒険者登録するなら覚えていた方がいいぞ」


 私はこのマジックバックに入れればドラゴンでも持ち帰れるのでいらないかな。


 話が途切れた所でラブルクが声を掛けてきた。


「皆さん、そろそろ出発します。」


 その声に頷きを返したのち、御者台に乗らせてもらう。


 この際だ、ラブルクにこの世界のことを教えてもらった方がいいだろう。


「すみません、実は私、遠くからきたので、このあたりの事とか良く分からないんですけど、教えてくれませんか?」


 このド田舎丸出しみたいな私の質問に、ラブルクは笑顔で教えてくれた。


 まず私たちが向かう先はジリヌスの街というところらしい。比較的大きな街らしく冒険者も多いそうだ。

 そしてこの国はアーラス王国という国らしく、この大陸の右上にある国らしい。


 そうして話しながら馬車に揺られること二時間。ついにジリヌスの街に到着した。


 異世界で初めて見た街に感動しながら眺めていると、重大な事実に気づく。


(私、身分証ないけどどうしよう)


「アルトリウスさん、そういえば遠くからきたと仰っていましたが身分証の類は持ってますか?」


「……持ってないです」


「ふむ、そうでしたか。でしたら今回は私が身元の保証をするので次までに身分証を手に入れることをお勧めします」


「ご忠告、感謝します」


 そのまま門の前まで進んで行くと、門番に止められた。

 私たちを一通り見てから


「身分証の提示をお願いします」


「ええ、こちらです」


 ラブルクや他の冒険者が身分証らしきものを渡した。


「そちらの……ドラゴニュート?のお嬢さんは?」


「ああ、彼女は遠くから来ていてね、身分証を持ってないんだ。冒険者になるつもりみたいだから後からでもいいかい?」


「そうですか、わかりました。ではお通りください」


 門番に礼を言ってから門をくぐって街の中に入る。


「ではアルトリウスさん、こちらが報酬です」


「ありがとうございます」


 中身の入った革袋を受け取り、中を確認する。


 中には銀色の硬貨がと銅色の硬貨が数枚ずつ入っていた。


「銀貨5枚と銅貨14枚です。」


 銀色の硬貨が銀貨、銅色のが銅貨だろう。


「…確認しました。」


「では、私はこれで。護衛、ありがとうございました」


「こちらこそ、ありがとうございました」


「じゃあ俺達もここまででいいか?」


「ええ、依頼の達成報告をしておきますよ」


「じゃあ嬢ちゃん、またな」


「ええ、また」」


 彼らはそういうと去っていった。彼らはこの街を拠点にしているようなので、私がこの街で活動する以上はまた顔を合わせることになるだろう。


 とりあえず私は貰った報酬で食事に行くことにした。




 食事のできる店を探しながら大通りを歩いて行く。この世界は色んな種族がいるらしく、猫耳や犬耳の付いた獣人と思われる人や耳の長いエルフらしき人、身長は低いががっしりした体格をしたドワーフらしき人など色々なひとがいた。ただ私と同じドラゴニュートの人はいないようだ。


(希少種族なのだろうな)


 そんなことを考えていると、いい匂いが漂ってきたのを感じた。そちらに目を向けると一軒の食堂らしき店を見つけた。


(ここでいいか)


 お腹の減っていた私はふらふらと匂いに寄せられるように入っていった。


「いらっしゃいませー」


 店に入ると私と同い年ぐらいの子のウエイトレスが働いていた。私が適当な席に座るとウエイトレスの子が席に来た。


「ご注文はお決まりですか?」


「えっと…ここは初めてだからとりあえず貴女のオススメでお願い」


「わかりました!」


 注文を受け取った彼女が厨房の方へ駆けていった。


 料理が来るまでの間、手持ちのお金を見ながら今後の予定を考える。


(差し当たって私がやらなければいけないのが服の購入と宿の確保、そして冒険者登録だ。それから、お金の残り具合にもよるけど、この装備をポーチにしまって普通の冒険者が身につけるような装備を買いたい。この装備はあまりにも目立ちすぎる。ただでさえ私の種族は希少種族らしく、目立つのにこんな装備なんか着てたら目を付けられるに決まっている)


 もうすでに目立ちまくっていることに、向けられる視線の多さから,ちゃんと分かっていたシエルであった。


「お待たせしました!」


 ウエイトレスの声で私は考え事を中断した。そういえば彼女は私と違ってこの街に住んで長いはずだ。ならば服を買える場所とか宿の場所なんか知っているかも。


「あ、お姉さん。ちょっといい?」


「はい?何でしょうか?」


「私旅人だからこのあたりの事とか詳しくないんだけど、近くの服を買える店とか、あとお勧めの宿とか教えてくれないかな?」


「いいですよ」


 こうして彼女から、服屋と宿屋を教えてもらった。


 さて、森から脱出して初めてのご飯だ。しかも結構おいしそうである。


 それじゃ、いただきますか。


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