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第一話 こんにちは異世界

初投稿です


ストック切れまで毎日投稿で、なくなったら不定期になります。

 私の名前は柊佳奈(ひいらぎかな)、18歳。黒髪ショートで身長155センチの大学生だ。


 大学での講義を終えたら直ぐに帰宅して、ハマっているVRMMOである「エターナル・カオス・オンライン」をプレイするというのが日課になりつつある、ダメな大学生であった。


「エターナル・カオス・オンライン」、略称はECOと呼ばれている。


 ありがちな中世を舞台にした、剣と魔法のファンタジーなゲームであり、プレイヤーは好きな種族を選んでキャラメイクができる。その後、100を超える中から好みのジョブを選び、それを育て上げてイベントやクエストに参加したり、ダンジョンを探索したり、対人戦をしたりと多くの要素が楽しめる。


 もちろん途中からジョブを変更することもできるため、複数のジョブを使い分けて遊ぶこともできる。


 もちろん、錬金術師や鍛冶師などの生産職でスローライフを楽しんだり、商人プレイで金稼ぎといったこともできるようになっている。


 ただ、私は専ら戦闘オンリーであり、ダンジョン攻略やクエスト攻略、レイド戦などを精力的に行っていた。ここ最近は、対人戦をメインにやっていた。


 一応、生産職もかじってはいるものお気持ち程度の生産能力しかない。


 ECOでの私のお気に入りのジョブは暗黒騎士であった。なぜなら高火力で平均以上の足回りでありながら、圧倒的な硬さを誇るジョブだからだ。


 反面、扱いが難しく、うまく動けないと並以下の火力に平均的な足回り、そして紙装甲になってしまうため、使用者は少ない。


 また種族はヒューマンやエルフなどポピュラーなものからフェアリーなどの珍しいものまで多数存在する。


 その中で、私が選んだのはドラゴニュート、つまり竜人族である。高い筋力とそれなりの魔力が魅力の種族である。


 見た目は普通の人間に角と尻尾が生えているような感じだ。角や尻尾の形や色はプレイヤーがカスタムできる。


 ちなみにECOでの私の見た目は、左目に少し髪がかかっている黒髪のショートカットに赤い目、耳の上には後ろ向きに伸びた小さめの白い角が生えている。


 他にも、うなじや手の甲などの身体の一部分には白い鱗があり、腰からは鱗に覆われた小さめで細い尻尾が生えている。


 なお、体つきに関しては自分で設定する以外にも自分の身体をスキャンして設定することができるので、身長は現実と同じ身長である。胸はちょっと盛った。


 また、戦闘帰りであったため、漆黒のフルプレートアーマーに刀身が血のように赤く染まった黒い大剣を背負っていた。


 ちなみにフルプレートアーマーとはいうが、上半身はプレートアーマーだが、腰の辺りからスカート状になっており、下半身のグリーヴが見えるようになっている、いわゆるドレスアーマーに近いタイプの鎧である。


 普段はまだまだこれからな時間だったが、なぜか疲れを感じた。もちろん精神的なものだ。


 何だかいつもより眠いな…もう寝よう


 そう思った佳奈はゲームを切り上げ、寝ることにした。もちろん自キャラのアイテム整理をしてからだが。


 このゲームはインベントリはあるものの。魔法のバックを使っている設定なので入れられる個数に限りがある、そのため定期的に整理をしなければならないのだ。


 アイテム整理を終えた佳奈であったがログアウトしようとしたとき遠くに見覚えのない光を見つける。


 何だろう?


 光の正体を確認するため、ログアウトしようとしていた手を止め、光の元へ向かう。その光はECOのダンジョン最深部にある転移用の光によく似ていた。


「こんなのあったっけ?新しいイベントかな?」


 どこかのクランに入っているでもなく、フレンドもいない佳奈は、大人数でのイベントなどには基本的に参加しない。そのため、普段であれば気にならないはずのものだった。


 しかし何故か気になった佳奈は好奇心に負け、光に手を伸ばした。するといつものように一瞬で転移されることがなく、光が周囲を満たし、佳奈の視界は光に包まれた。










 ふと気がつくと佳奈は森の中に立っていた。


 良く晴れているが、()()()()()()()()、深い森であった。


「ここは…?」


 いつも通りメニューを呼び出してマップを見ようとする。既存マップであれば全体図が、新規マップであっても場所の名前ぐらいは表示があるからだ。


 しかしそのどちらも表示されなかった。


 その上、メニュー画面で確認できるのが、レベルや装備、スキルに魔法ぐらいしか確認できず、視界の端に表示されていたHPやMPの表示も消えていた。


 本来は他にも、先ほど確認したマップのほか所属ギルドや受注したクエスト、チャット機能やデータベースなど多数の項目があったが全て消え失せていた。


 設定も消えており、当然、そこにあるはずのログアウトボタンもなくなっている。


「おかしいな…バグ?」


 そう思った佳奈だったがその考えを即座に否定する。なぜならバグであれば不完全ながら表示されるがまるで()()()()()()()()()()ようだったからだ。


 そこで佳奈はあり得ない違和感に気づく。


 匂いがする…


 ECOでは五感のうち味覚と嗅覚の再現が法律上の問題で出来ていなかったはずだった。それなのに匂いを感じるのはおかしい。


 その上、自身の体にも違和感を感じた。ECOでの自分の種族はドラゴニュートだが、身体の感覚がとてもしっかりしている。


 つまり、尻尾や角の感覚があるのだ。


 そこから佳奈は一つの結論に至る。


「これは、俗に言う異世界転移ということかな」



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