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迷宮都市の小さな鑑定屋さん。出張中です。  作者: ジン ロック
ミラノ編
63/64

番外編 SS とある三人の男

とある街の裏通りを歩く、三人の男達がいます。


少しだけ派手な服装をした男達は、皆、安物の赤ワイン『キャンティ』を手にしています。


この街では珍しい、木造家屋に姿を消します。



「おい、やったな」


「おお、まずは乾杯だ」


「うむ、飲まずにいられるか」


安物ワインのコルクを開け、瓶を持ち上げ、音を鳴らします。


「「「乾杯!」」」


瓶のまま、口をつけ、乾いた喉を湿らせます。


「くぅ〜、たまらねぇな」


「うむ、格別にうまい」


「今だけは『キャンティ』が幻の『ブルネッロ』に感じるぜ」


「わっはは、違いない」



「きっちり、覚えてるな?」


誰かが放った、その一言で、皆、瓶を置き、顔つきが変わります。


「完璧だ」


「忘れられるわけがねぇ」


「よし、まずは記憶のすり合わせだ」


「うむ、昼前には完成させたい」



ときおり、喉を湿らせながらも、男達は真剣に議論を重ねます。


〜〜〜


「こんな、ところか」


「ああ、完璧に近いといえる」


「うむ、大ヒット間違いない」



「「「乾杯!」」」


未来の成功を、疑わない男達に自然と笑顔が広がります。



「あとは、ルート決めか」


「オレは北まわりで、ミラノ、ヴェローナ、ベニスから、王都に入ろう」


「オレは南下しよう。ピサーノ、シェーナ方面から、王都入りだ」


「うむ、ではオレは、フィレンツ、ペルージャ方面の南東ルートから行こう」





塩の混じった風雨にさらされ、ちそうになっていた木製の看板に、暖かな陽が差し込みます。




『吟遊詩人ギルド』


ジェノバ支部 青年部

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