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迷宮都市の小さな鑑定屋さん。出張中です。  作者: ジン ロック
ベニス編
50/64

第三十七話 ベニス25

 信頼できる鑑定士が、二人誕生します。


 僕はにっこりしながら、マジックバッグをあさります。


「じゃ、まずはこのアイテムを鑑定してみて。クワッドが『探査サーチ』して、エリーゼが見つけた物だよ」


「「鑑定」」


鑑定結果

「ガラスの箱」

 良品

【偶然の赤銅箱】

 潤い+30%


「あれ?トキン様、この小箱も二重底かもしれません。オイラの『探査』に、もう一つ反応があります」


「本当?『鑑定』」


 僕は表示機能を使って、鑑定してみます。

 確かに二つ重なった表示が見えます。


「確かに、もう一つ隠れてる。クワッド、開けてみて」


 僕は【針職人の千枚通し】器用さ+34を手渡します。


 クワッドが慎重に、小箱の底を持ち上げます。


「トキン様、ありました。これです」


「うん、よくみつけたね。みんなで鑑定してみよう」


鑑定結果

「ガラスのペンダント」

 不良品(欠け)

【赤銅ガラスの首飾り】

 認識阻害R+1


「これも、スキルを得ることができるアイテム。凄い効果だけど、エリーゼとクワッドは、認識阻害のスキルはいるかな」


「私は、あまり・・」


「オイラも大丈夫です」


 僕は頷きます。

 マジックバッグから麻紐とハサミを取り出します。


 紐をとおして、首にかけます。


「じゃ、出してくね」


 僕は、バッグから【逸品】をどんどん出します。


 二人も、どんどん鑑定していきます。



「じゃ、そろそろ粗大ゴミ置き場に行こう」


「「はい」」


 

 三人でフォルトゥーナ号に乗り込みます。

 今日の御者は、クワッドが務めます。

 初めてだと言いますが、上手いものです。

 教えるエリーゼも「筋が良い」と褒めます。

 狸獣人のクワッドのしっぽが、機嫌良く揺れます。


「じゃ、二人はスキル経験値稼ぎで、僕は修復リペア祭りね」


 二手に別れます。


 僕は「一般品」素材から修復していきます。

 ここ、ベニスで収集した素材以外に、先日シェーナとモンタルチーノから届いた素材もあります。


「一般品」と【逸品】のベネチアングラス製品は、後でヴェネート家の家人が取りにきます。


「一般品」の家具や雑貨は「サリンベーニ商会」行きです。

 

 

 次に【逸品】素材を修復します。


「トキン様、このアイテム素材ですが、先程の指輪と相性が良いかと」


 エリーゼが、木片と竹材の欠片を差し出します。


「観てみるね『鑑定』」


鑑定結果

「木の弓」

 不良品(折れ・欠け)

【ニレ古木の短弓】

 器用さ+0 (0/30)

 射程距離+0 (0/200%)

 6,900ゴルド

 短弓の欠点である射程距離の短さを補う。


「竹の籠」

 不良品(欠け)

【永遠竹の矢筒】

 素早さ+0 (0/20)

 力+0 (0/20)

 8,000ゴルド

 この矢筒から矢が無くなることはない。


「エリーゼ、確かに凄く良いアイテムだよ。僕が使わせてもらうね『修復』」


 何度か唱え、修復します。


鑑定結果

「木の弓」

 良品

【ニレ古木の短弓】

 器用さ+30

 射程距離+200%

 2,300,000ゴルド

 短弓の欠点である射程距離の短さを補う。


「竹の籠」

 良品

【永遠竹の矢筒】

 素早さ+20

 力+20

 1,200,000ゴルド

 この矢筒から矢が無くなることはない。



 その後も、マジックポーションを飲みながら、修復を続けます。

 修復した【逸品】は、モンタルチーノ街のアンティーク通り行きです。


 エリーゼ達も、マジックポーションを飲みながら、全て鑑定し終わります。


「トキン様、鑑定スキルがR3になりました」


「オイラもです」


「うん。二人ともおめでとう。少し時間があるね。ティラミスを食べてから、鑑定屋さんを開けよう」



 いくつか、鑑定屋さんで使うアイテムを持って、ティラミスを食べに向かいます。



カフェ

『私をその気にさせて』



 三人で、ティラミスとハーブティーのセットを楽しみます。


「週末に、ミラノ侯爵家へ向かうけど、クワッド、せっかく鑑定R3になったことだし、よかったら鑑定屋さんの店長をやってみない?」


「えっ」クワッドが驚きます。


「もちろん、ミラノ行きがよかったら、ミラノに一緒に連れて行くよ」


 クワッドがこたえます。


「トキン様、オイラが選んでいいなら、オイラ店長をやりたいです」


 クワッドがやる気です。


「うん、それじゃ頼むよ。ピッピーノが来たら、船頭ゴンドリオーレ兼、護衛の剣士として、一緒に行動するといいよ」


「はい」


「日中は二人で水路の探査をして、その後、お店を開ければいいよ。ベニス本島を周り終わったら、他の島も探検してさ」


「はい、トキン様。もうお店を任せてもらえるなんて感激です。ありがとうございます」


 クワッドが、立ち上がって頭を下げます。


 僕は、にっこり頷きます。


「クワッド、良かったですね」


「エリーゼ先輩、ありがとうございます」


 エリーゼもクワッドも笑顔です。

 

 フォルトゥーナ号に乗って、鑑定屋さんに向かいます。

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