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迷宮都市の小さな鑑定屋さん。出張中です。  作者: ジン ロック
ベニス編
47/64

第三十四話 ベニス22

「トキン様、お宝が三つあります」


「うん、鑑定してみるね」


 僕もエリーゼもドキドキです。


「『鑑定』」


鑑定結果

「白銀の腕輪」

 不良品(欠け)

【ミスリルの祝腕輪】

 風属性魔法

(発動不可)

 素早さ+0 (0/150)

 器用さ+0 (0/150)


「これはっ、エリーゼちょっと待ってね。これだけ先に修復するから」


 エリーゼが頷きます。


「『修復リペア』」


 僕は余裕なく、慌てて唱えます。

 両手から、淡い光が溢れ、僅かな欠片を包み込みます。


「『鑑定』」します。


鑑定結果

「白銀の腕輪」

 良品

【ミスリルの祝腕輪】

 風属性魔法

 素早さ+150

 器用さ+150


「エリーゼ、言うよ。この「白銀の腕輪」銘は【ミスリルの祝腕輪】効果は風属性魔法と、素早さ+150。それと器用さ+150の三つ。価値は計り知れない・・どうしよう、今すぐレオナルド様に伝えるべきかな」


「トキン様、正直怖さを感じるほどの効果です・・ですが、もうすぐ夕食会が始まってしまいます」


 僕は急いで考えをまとめます。


「エリーゼ、今から言う鑑定結果をメモして」


 僕は記憶を呼び戻し伝えます。


鑑定結果

「白銀の盾」

 良品

【ミスリルの祝盾】

 雷属性魔法

 体力+150

 魔力+150


「トキン様、これは・・・」


「移動しながら説明する。レオナルド様のところへ急ごう」


 二人でレオナルド様の執務室を目指します。

 走りながらエリーゼに経緯を説明します。

 ジョバンニ執事長が執務室から出てきます。


「ジョバンニ執事長、レオナルド様は中にいますか」


「はい、おられます」


「急用なので失礼します。エリーゼ、ジョバンニ執事長に説明を」


 コン、コンッ


「レオナルド様、トキンです。急ぎの報告があって参りました」


「入りたまえ」


「失礼します」僕は息を切らして執務室へ入ります。


「レオナルド様、大変なアイテムを手に入れてしまいました」


 執務机の上に、【ミスリルの祝腕輪】と鑑定書を並べます。


 レオナルド様が、険しい表情で鑑定書を見つめます。


鑑定結果

「白銀の腕輪」

 良品

【ミスリルの祝腕輪】

 風属性魔法

 素早さ+150

 器用さ+150


「確かに、にわかには信じ難い効果だ。だが、トキンがそこまで慌てるということは、話の続きがあるのだね」


「はい、これは以前、見かけたアイテムの鑑定書です。おそらくこの二つの装備は【共鳴】し、効果数値がそれぞれ二倍に上がります」


鑑定結果

「白銀の盾」

 良品

【ミスリルの祝盾】

 雷属性魔法

 体力+150

 魔力+150


 レオナルド様は、二枚の鑑定書を並べ、見比べたのち言います。


「ふむ。トキン、盾の方はどこで見たのかな」


「シェーナ街です。この盾の所有者は、トツカーナ伯爵です」


「ジョバンニ!」


「はっ」


 ジョバンニ執事長が、執務室に入ってきます。


「トツカーナ伯をここへ。それと夕食会は一時間ほど繰り下げる」


「かしこまりました」


 屋敷中が慌ただしくなった気がします。

 僕もドキドキしています。


「トキン、よく知らせてくれた。この腕輪は、私が自由にさせてもらっていいかな」


「はい、もちろんです」


「ありがとう」



 しばらくして、ジョバンニ執事長が、トツカーナ伯爵を伴い現れます。


「ヴェネート公、どうなさいましたか」


 トツカーナ伯爵が、心配そうな顔で伺います。


「急な呼び出しすまない、トツカーナ伯。急ぎ確認したい案件が転がり込んでね。これを見てほしい」


 レオナルド様が、【ミスリルの祝腕輪】の鑑定書を手渡します。


 トツカーナ伯爵が、鑑定書を睨みます。

 口に手をあて「これは・・」と声をもらします。


「これによく似た盾が、トツカーナ家に家宝として伝わってます」


「ふむ。その盾は、これで間違いないかな」


 レオナルド様は【ミスリルの祝盾】の鑑定書を手渡します。


「まさしく、この盾です。間違いありません」


「トキン、君からトツカーナ伯へ説明を頼めるかな。詳しく全てを」


 僕は頷きます。


「ブランドお義父とうさま。この【ミスリルの祝腕輪】とお義父さまがお持ちの【ミスリルの祝盾】を同時に装備した時、おそらく【共鳴】と言う現象が発生します」


「共鳴?トキン君【共鳴】とは?」

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