表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
迷宮都市の小さな鑑定屋さん。出張中です。  作者: ジン ロック
ベニス編
34/64

第二十五話 ベニス⑬

 僕は今、朝食を終え、ドゥカーレ宮殿の執務室に向かっています。

 

 レオナルド様に、新しい家人を紹介したいと、時間をもらったのです。


 ジョバンニ執事長に続いて、クワッドを伴い「黄金階段」と呼ばれる、階段を進みます。

 

 実際には、階段が黄金でできているわけではなく、ドーム型の天井の漆喰に、金で装飾された、ベニスにまつわる神々が描かれた通路のことです。


 執務室の前に着きます。

 ジョバンニ執事長が取り次ぎます。


「入りたまえ」と声がかかります。


「失礼します」と頭を下げて入室します。


「トキンです。クワドリフォーリオを連れて参りました」


「は、は、はじめまして。オイラは、あ、僕は狸獣人のクワドリフォーリオです。四歳です」


「まあ、そう固くならずに掛けたまえ。トキン、説明を」


「はい」とお返事して、クワッドと一緒に応接ソファに座ります。


 テーブルを挟んで、レオナルド様も座ります。


「昨日、僕を訪ねてトレント司教領の、ボルツァーノ村から来た、クワドリフォーリオです」


「ほう、北のトレント司教領か」


「はい、ユニークスキル『探査サーチ』を持っています。これは実際にスキルを使って、お店裏手の水路の中から、見つけたアイテムになります」


 僕はテーブルの上に、そっと【銀鼠のナイフ】を置きます。


「ほう、クワドリフォーリオ。『探査』の詳しい説明を頼む」


「はい。『探査』はオイラ、あ、僕の半径10メドル以内にある【古代の逸品】を知ることができるスキルです」


「なるほど。このユニークスキルの、存在を知る者は」


「両親とトキン様とエリーゼ先輩だけ知ってます」


「うむ。わかっているようだが、ユニークスキルの存在を、これ以上知られてはならない」


「はい」


「トキンをよく助け、ヴェネート家のためにはげむことを期待しているよ」


「はい」


「ジョバンニ、クワドリフォーリオに、トキンの近くの部屋をあてがってくれ」


「かしこまりました。ではクワドリフォーリオ、付いてきてください」


 ジョバンニ執事長が、クワッドを伴い退室します。


 ぺこりとお辞儀するクワッドに、僕はにっこり頷いて送り出します。



「トキン、この「銀のナイフ」は幸運アイテムなのかな」


「はい、そうです。三人でかなりの泥をすくった底で見つけました」


「なるほど『探査サーチ』か、ふむ。いずれにしても、即、家人として迎えたのは賢明な判断だ。これからも、自分の直感を信じて動くといい」


「はい、ありがとうございます。レオナルド様」


「それと、今日客人が来る。トキンも夕食会には顔を出してくれ」


「はい」


 僕はにっこりお辞儀して退室します。


 四階にある、僕の部屋に戻ります。

 向かいの家人用の部屋から、クワッドが顔を出します。


「オイラ、トキン様の近くの部屋でホッとしました」


「昨日は客室に泊まったもんね」


「はい、部屋が豪華すぎて・・」


「ははは、今日はお店に行く時間まで、ゆっくりするといいよ。家族に手紙を書いてもいいし」


「はい、そうさせていただきます」


 手を振って、クワッドと別れます。

 

 部屋にはエリーゼがいます。

 

「エリーゼ。僕のスキルを鑑定するから、メモをお願い」


「はい」


 エリーゼがニコリと頷きます。


 

ユニークスキル

『リペア』R-MAX


スキル

『操船』R1 (3/100)

『馬術』R1 (79/100)

『武術』R3 (145/200) +R5

『交渉』R1 (53/100)

『直感』R2 (188/200)

『鑑定』R-MAX

『剣術』R2 (9/200) +R2

『算術』R-MAX

『識字』R3 (247/300)



「トキン様、メモできました」


「うん、ありがとう。『直感』スキルがどのくらいか、まず見たかったんだ」


「『直感』スキルが気になったのですか」


「うん、そうなんだ。レオナルド様に、クワッドを紹介したあと『直感』を信じろって言われてね」


「レオナルド様に」


「うん。それをきっかけに、こう思ったんだ。『鑑定』スキルと『直感』スキルの組み合わせで、僕は、鑑定する前から【古代の逸品】がなんとなくわかる。これって見えてる物限定の『探査サーチ』スキルとも呼べるんじゃないかってね」


「たしかにそう言えると思います」


「それで『直感』スキルを鍛えたいんだ。どんな訓練が経験値が入るか試したいんだ」


「わかりました。まずは『直感』スキルの経験値検証ですが、試してみたい方法はありますか」


「うん。少し考えがあるんだ」


 僕はこの後、エリーゼに手伝ってもらって、いくつかの方法を試します。

訂正します。


ジュゼッペ執事長

→ジョバンニ執事長

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ