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迷宮都市の小さな鑑定屋さん。出張中です。  作者: ジン ロック
ベニス編
28/64

番外編 SS ベニス案内後の大聖堂

 大聖堂本堂の真ん中を、修道女姿の小さな女の子が進みます。

 上気した顔をうつむかせ、足取り軽く進みます。


 最奥でひざまずき、瞳を閉じてサンマルコ様に感謝の祈りを捧げます。


 

 立ち上がり、大聖堂の一角を目指します。

 家族が待つ、居住スペースへ足取りを緩め進みます。


「ただいま、戻りました」


 左手を右手で覆う形で、前に組みペコリとお辞儀します。


「お帰り、マルティーナ」


 大司教である、おじいさまがいつも通りの笑顔で迎えてくれます。


「ティナ、お帰り」


 大司教の娘婿である、おとうさまが優しく迎えてくれます。


「お帰り、マルティーナ。待ってましたよ」


 大聖堂に似つかわしくない、はやくて高い声で、おかあさまが迎えてくれます。


 今日の出来事を、事細かに報告します。

 おかあさまの表情が、みるみる笑顔にかわります。


「僥倖です、マルティーナ。あぁ、こうしてはいられません。本堂に行って聖マルコ様に、感謝をお伝えしなくては」


 おかあさまが、部屋を飛び出します。



「トキン様に、その指輪を頂いたとき、ティナは嬉しかったかい?」


「はい、おとうさま。とても嬉しくてドキドキしました」


「それは良かった。ティナが嬉しいなら、お父さんも嬉しいよ」


 物静かな、おとうさまが笑みを浮かべます。


「次があるというのも、また良いのう。マルティーナ、楽しめたようじゃのう」


「はい、おじいさま」


 修道女姿の小さな女の子は、にっこり頷きます。

 

 顔を赤らめ、左手に輝く指輪を、右手でそっと覆い、胸に抱きます。

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