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第39話 養徳院と帰蝶と直子

俺達は那古野城に戻った。


新しく仲間になった帰蝶、藤吉郎、直子を連れて住む城内を案内する為、連れていく。


他の仲間はそれぞれやりたい事があると別れたが、恒興だけは俺についてきた。


「あ、母ちゃん」

恒興の声に俺は目を向けた。


すると廊下で数人のお共を引き連れた養徳院が歩いてきた。恒興の母であり、俺の乳母で育ての母だ。更に夫が無くなると、俺の父信秀の側室になった。


ちょっと複雑な関係だが、実の母と会った記憶がない俺は、養徳院を母と思っている。

そして養徳院も俺の事を凄く大事に思ってくれている。


養徳院は恒興をちらりと見て返事はせず、俺を見ると笑顔を浮かべて駆け寄り抱き締めた。豊満な胸に顔が埋まる。


今29歳になったか、相変わらずの巨乳で美しい女性だ。この胸に信秀は惹かれたのだろう、全くけしからん。


「吉法師様、お久しぶりです。吉法師様はまだ10歳、同じ城にいるのですから毎日甘えに来ても良いのですよ」


その様子を見ていた帰蝶が、複雑な表情を浮かべて養徳院の容姿に目を凝らすと、その豊満な胸に釘付けになった。


帰蝶、まだ11歳だから比べなくてもいいんだよ。君は歳の割には十分大きいよ。これから大きくなるさ。


「吉法師様、ご紹介いただいても宜しいでしょうか」

帰蝶は複雑な表情で俺に言う。


「まあ、可愛い女の子が二人も! 正室候補と側室候補かしら? 吉法師様もまだまだ子供と思っていましたが隅に置けないわ。流石信秀様の嫡男。私も紹介して欲しいわ」


養徳院は俺を胸に抱きながら、帰蝶と直子を見る。


くっ、女好きの絶倫スケベ親父と、比べ無くても良いじゃないか。


「こちらは恒興の母で俺の乳母。そして父の側室である養徳院殿だ。俺の育ての母なので仲良くして欲しい」


帰蝶はぱあっと明るい笑みになり、自己紹介を始めた。

「帰蝶と申します。吉法師様には可愛がっていただいております。宜しくお願い致します」


「直子です」

直子は無表情だ。しかし頭を下げた時、マントの隙間から素肌見えたのだろう。


「藤吉郎と申します」

藤吉郎も申し訳無さそうに挨拶する。


「あらぁ、直子さんはなぜ裸なのかしら? 吉法師様、(しとね)を共にするには早すぎますよ。しかも裸の娘を連れ回すなんて、いつの間にそのような性癖になったのかしら。これは忌々しき問題です」

養徳院は俺を胸から離し、横目で俺の顔を見詰める。


「せ、性癖って! そのようなものは断じてありません!」

俺は養徳院のお供をちらりと見てから話を続ける。


「後で事情は説明致しますので、今は黙って直子の服を用意してください」


「ふ~ん、そうねぇ。分かりました。どうせ恒興も全て知っているのでしょ。後で恒興にじっくり聞くわ。直子さん、おいで」


恒興はビクッとなった。


直子は無言で頷き、黙って養徳院の後についていく。


「養徳院様、私もご一緒させてください」


帰蝶は甘える様な声で養徳院に言った後、俺にウィンクすると、満面の笑顔で養徳院の手を取りついて行った。


あ、あざとかわいい……。


「まあ、帰蝶は可愛い子ね。女の子も良いわね。次は女の子が欲しくなったわ」

と養徳院も満更でもない様子だ。


ふぅ。一安心だな。


「ツネ、藤吉郎の事を頼む」

「了解っす」


恒興が藤吉郎を連れて行くのを見送る俺。


養徳院は聡い人だ。俺の意図を分かってくれたのだろう。俺は養徳院と平手政秀には全幅の信頼を置いている。


俺を嫌って会いもしない母、戦に明け暮れ家庭を顧みない父と比べて、二人とも俺の事を大事に思い、俺の全てを肯定してくれる人だと思っている。


母代わりの養徳院は言わずもがな、平手政秀は次席家老だが志賀城の城主である為、離れて住んでいるのに、俺の事を大事に思い、頻繁に会いに来て可愛がってくれた。


また、俺が勉学に優れていると知れば、将来俺の相談相手になるであろう高僧、沢彦宗恩と快川紹喜を側に着けてくれるとともに、自分の息子2名を志賀城から、俺の家臣と小姓にしてくれた。


養徳院と平手政秀、この2名にもし裏切られたら俺は誰も信じられなくなる。そんな存在だ。


それ故、養徳院には池田恒興、平手政秀には嫡男の久秀(ひさひで)と次男の汎秀(ひろひで)から、俺の事を全て報告されている事を知っているが許容している。

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