第37話 冒険者ギルド1
俺達は那古野城の城下町に戻って来た。
総勢10人、いつの間にか大勢になっていた。
俺、帰蝶、池田恒興、新免無二、滝川慶次、佐々木小次郎、果心居士、猿飛佐助、木下藤吉郎、直子の10人だ。
俺達は城下町に入ると冒険者ギルドに向かった。
木下藤吉郎の案内で冒険者ギルドの扉をくぐった。
「おい! サル。なんだぁ、ぞろぞろ引き連れて、今日も百足退治かぁ。あっはっは」
と上半身裸で鍛えられた筋肉を見せびらかせようとしている半袖の黒い革ジャンの男が罵って来た。
藤吉郎はそれを無視して受付に行く。
俺と仲間は男の言葉に不機嫌になっていた。
「ポイズンセンチピードを2匹討伐してきた。クエストの報告をしたい」
藤吉郎はそう言って受付に冒険者証を出して、猿飛佐助の顔を見た。
「これ、百足」
猿飛佐助も受付の前に来て、百足の死骸を2匹分、どかっと受付のカウンターの上に出した。
「きゃっ」
短い悲鳴を上げる受付嬢。
通常モンスターをそのまま持ち込む事は無いのかも知れない。リュックなどで、あまり多くの物を運べない冒険者達は、解体して必要最低限討伐証明になる部位や、売れる部位のみを提出するのであろう。
それが、モンスターをそのまま出されたので、受付嬢は驚いたのだ。
「どうした?」
「何があった?」
集まって来る冒険者達。
「サル! さくらさんに何をしたぁ!」
受付嬢の名前はさくらと言うのか。
「サル! ただで済むと思うなよぉ」
「サル! 無視すんなよ」
半袖革ジャンの男が、藤吉郎の肩を掴んで振り向かせた。
藤吉郎は振り向きざまに抜刀し、峰打ちで男を叩き飛ばす。ダンジョンで藤吉郎もレベルが上がったからねぇ。そこらの冒険者達は敵わないだろう。
「無礼者! 俺は織田吉法師様の家臣木下藤吉郎だ! 薄汚れた手で触るな」
抜刀した刀を構える藤吉郎。
「てめぇ」
叩き飛ばされた男は片膝をつき、腹を押さえて睨む。
「がはは、良く言った藤吉郎。てめぇ俺の仲間に手をだそうとしたなぁ」
新免無二も抜刀し、右手に刀、左手に十手を構えた。
「ひぃ」
無二の殺気に怯える男
男の仲間が吠える。
「サル! ジジイと女とちびどもを引き連れていい気にな──」
濃厚な魔力が吹き荒れる。
「ほっほっほ、聞き捨てならんぞ。我が主君に暴言を吐いたな、周りの者どもも無礼である。跪きなさい」
果心居士が上げた右手を下ろすと、濃厚で凶暴な魔力が冒険者達を襲う。
上からの魔力の圧力で、立っていられなくなり、四つん這いに、片膝がつき、お尻をつく様々な姿勢で全員立つ事が出来なくなった。
一方、俺を「ちびども」と言った男は、蜘蛛の糸でぐるぐる巻きにされて身動きが取れなくなり、左右の首に佐々木小次郎と新免無二の刃が当てられ、心臓の位置に慶次の朱槍の先端押し付けられていた。
「ひぃ……」
「主君への暴言緩し難し」
「おいおい、主に何言ってくれてんだ。あ″ぁ!」
「主君の暴言許さず」
佐々木小次郎、新免無二、滝川慶次はそれぞれの刃を押し付け男を睨む。
「主様に対して無礼千万! 喰い殺してくれるわ!」
直子の右手の指から蜘蛛の糸がのびていた。
コートの縁を押さえて無いから、裸が見えてるってば。それから喰い殺しちゃ駄目だよ。
「ええい! この方は那古野城城主織田吉法師様なるぞ、頭が高い!」
恒興が大声で叫ぶ。
もう果心居士が頭を下げさせてるってば。
冒険者達は呻きながら、果心居士の魔力の圧力で動けず、もう冒険者ギルド内は異様な雰囲気になってしまった。
帰蝶が俺の腕に身を寄せて俺の顔を見る。
この状況を俺におさめさせようとしてるのか? そうだよなここは俺しかいないよな。
その時……。
「この有り様は、何事だあああああ!」
2階の階段から降りて来た迫力のあるじいさんが叫んだ。
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