出会っちゃったみたいです。
どこにいると思います?
なんと人がいない真っ黒な廊下に1人っきりと言うね?
え?さっきまでドナドナされてたじゃないって?
とりあえずこんな所に来ちゃった理由はね、馬車から下ろされた途端に走り去る猫を追いかけて行ったら見失ってどうやって王子に会わずに帰るかを考えながら猫を探してたら迷子です……
かっこ悪いにも程がありますね。前世では少なくとも花も恥じらう女子高生だったんですよ?猫を追いかけて迷子って(笑)
体に年齢が引っ張られてる感有りますね。
「どうしてこんな所に居るのですか?」
はい、ごめんなさい迷子です。方向音痴なんです!!
前世でもよく道が分からなくなって家に帰るのに2時間、3時間とかかった事が何度あったか……
「……えっ……うぉ…あ……ううっ……迷子とかですわ……ね?」
正直建物内で迷子になったのは初めてで恥ずかしいかも知れない。
それぐらいお城というものは広いのだろうか?
前世で入ったことのあるお城なんて日本風のいくつか天守を持った観光名所になってる様な奴ばっかりだ。
どんなに間違えても西洋ファンタジー風なお城には入ったことどころか、自分の目で見たことさえない。
「迷子以外で王族以外がこんな所になかなか用事は無いでしょうね。貴女、名前は?」
えっ?そんなヤバイ所に入って来たん?そう言えば誰?
12、3歳の少年だ。
もしかしたらもっと若いかもしれない。
少なくとも私よりは年上だと思う。
「あ……アハハハ……申し訳ございません……スピカ・フォン・ヴァーゴと申しますの……どうか命だけはお助け下さいませ……」
もしかした捕まるかも知れない無いけど悪かったら処刑されてしまうかも知れない……
でも、現役の王様の住むところに入ったら間違いなく捕まる……だろう。
つーか、何でこんなところに来る前に気が付かないんだよってはなしだよ……命が惜しくないのかスピカ……
「……茶会から、抜け出したのですか?私の顔合わせの時にはいらっしゃらなかったようですが?」
はい、ごめんなさいそもそも茶会には行ってません。いや、行けなかったんです!!
サボれてラッキーとか思って無かったんです!!故意的じゃ無いんです!!むしろ迷子になって困ってるんです!!とか、言い訳がしたいけど……言い訳をしていい様な雰囲気では有りませんよね!?分かってます……
「いや……アハハハ……猫を追いかけてましたの……」
「猫を追いかけて迷子ですか……?茶会の席まで案内しましょう。付いてきて下さい。」
ねー。猫を追いかけて迷子だなんて笑ってもいいのよ……あはは……
うん、クソダサいと自分でも思うわ。
「いや、馬車迄で結構ですわ……」
サボるから!!こここまで来たならどうなろうが勝手でしょう!?
「そのままバックれますか?」
「なっ………」
バックれるに決まってる。王子様に会うかもしれない様な茶会だし、そもそもお茶というものは好きな時に好きなお茶を飲んでこそ美味しいものであり、気が進まない上に上の方の機嫌を伺いながら飲むものではない!!
「そんな事ありませんわ……それより何方ですの?私だけ名乗るのも不公平でしょう……」
本気で貴方は誰ですか?と問いたい!!どうして、君もこんな所にいる!?
「図星ですか?まぁ……そうですね。私はシリウス・ゾディアック。この国の王子です。
と言うか、名乗らせる前に“王族以外用の無い場所”に用もなくいる辺りから察したらどうですか?」
王子って案外ひどい物言いなのか?そう言えば案外毒舌なサディスティックで人気だったっけ?ごめん、王子押しじゃなかったからよく覚えてないや。
えーとで、うん、王子?出会うの避けてた癖に思っきし出会っちゃってるし、会話しちゃってるじゃん……私、王子に惚れてないよね?一目惚れなんてしちゃったらお別れまで一本道じゃん……
「あーあーえっと……ご機嫌麗しゅう……シリウス王子?」
「麗しくは無いよね。」
……死刑?
ヒロイン云々以前に死刑?いやまぁ、不敬罪だっけ?でもさ、普通の女子高生に貴族云々とか、王族がどうのとか分かるわけ無いじゃん!!
いやまぁ、完璧に言い訳なんですけど!!
あぁ……死ぬ前に素敵な恋がしたかった!!
王子様が出てきた。こんなキャラになる予定はなかった。
考えずに書くからこうなるんですね分かってます。
勢いに任せて書いてるので気おつけてはいるんですけど誤字脱字等ありましたらコメント、メッセージ等々でお知らせいただけたらと思います。