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悪役令嬢の危機みたいですが?

どうやらかなり危ない状況の様ですが……

叫ぶ訳にも行かずほとほとと困り果てております。

「おにーさん達……その人、どーするつもりですかー?」

間の抜けるような、人の力を抜かせる様な不思議な響きを持つ少年の様な声がかけられました。正確には私を囲っている人達にですが。

「ぼーやには、かんけーねーよ。何ならぼーやも混ざるかい?」

如何にも強そうなおじ様がガハハハハと品の無い笑い声を上げながら答えています。

まさか、殺される訳では有りませんよね……?お小遣い程度しか持ってきてませんけど、それなりに食品を買えるくらいは持ってきてるのでお金で助けてくれませんかね!?

「なにそれたのしーの?僕もまぜてほしーなー」

混ざんなよガキ……と言うか、目の前で人が殺されそーになってんだよ?助けろよっ!!

ジリジリと距離を詰めるおじ様もといオッサンから距離を取るべく後ろに下がっていたのもつかの間……ドンッと鈍い音を立てて壁にぶつかりました……まさに背水の陣と言うものでしょう。

若干の焦りを感じつつも私は前世からピンチになってからが強い女、何とかすべく必死に思考を巡らせますが命の瀬戸際、いい案が思いつくわけもありません。

と、思っていたのですが、目の前のオッサンにドロップキックを食らわせた人が居ました。まさか、手柄目当てでの裏切り行為かと思ったがどうやら先ほどの少年が助けてくれたらしい。

そのまま手を引かれ路地から連れ出してくれたのですが、なんとも言えないくらい走るのが早いのと握力が強いので色々と限界です。

ひと目が増えてきたこととオッサンが追ってきていない事を確認してから少年に声をかけました。


「ぼーやさん!!痛いですッ!!痛いですっ!!」

「んっ?あっああっ!!すみません……大丈夫ですか?」

どうも無意識だったのであろう、ぼーやさんは慌てて謝罪を述べる。

ピンクブロンドの髪に優しげな光を湛える青く澄んだ瞳はヒロイン、エリースを彷彿とさせます。

「あの、先程は……」

今更、恐怖がやって来たのだろうか声が出なかった。

じんわりと暖かい物が頬を伝い目の前のぼーやさんが慌てふためいた事から涙が溢れた事に気がついたが、止めようと思っても止まらなかった。

「ごめんっ!!僕んち、すぐそこだから!!」

ぼーやさんは私を抱き上げて走り出した。

線の細そうな少年に見えたが意外と鍛えているようで安心してぼーやさんに抱えられていた。


ヒロイン……でません?

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