街に出かけるみたいです。
「スピカ!!街まで行けへんか?」
カペラが駆け込んで来ました。
急いでいたのか呼吸が荒く肩で息をしています……
……それよりどうしてカペラはこうもタイミングよくだらしない格好をしている時に入ってくるんですかね?
しかも何で、街まで行くんですか……必要なものは学園で揃うでしょうに………
「なぜ、行くのか答えてもらえます?必要無いでしょう……」
「えらい、ロマンの無いこと言うんな。せっかく王都まで来たんやで?冒険してみた無いん?」
やたらキラキラした顔で私を見てきますが行きたくないです。平和が一番!!
お前1人で行ってろよ私を巻き込むんじゃない!!
「行かへんし1人で行って。」
こういう時はキッパリと断らないと流されます……
日本の美学である曖昧に受け流すはカペラには通用しないんです。
「なんでやの、スピカに街ん中案内したろ思て来たんやで?俺ひとりで行っても意味無いやん?」
カペラはぐっと私の腕を引き寄せて私の顔を覗き込みます。顔に熱が集まって行くのが分かりました。押し退けようと頑張りますがびくともしません……それに気がついたのか彼はにやりと笑いさらに私に近づいて来ます。だーかーらー!無駄に美形なお前は私にちかよるなっ!!ドキドキするだろ。
「触んな!!出てけ!!」
「そんな、殺生な事言わんで!?何が嫌なん?俺と2人で出かけるん嫌?」
しょぼーんみたいな顔で聞いてきます。なんか、捨てられた子犬(カペラの身長はもう既にやたらデカイので子犬という言い方は間違ってるような気がしますが)子犬……と言うか、わんこみたいな表情で聞いてきます。なんか、そんな顔されてしまうと私がいじめたみたいで悪い気がしてきました……
「あぁー!!あぁもう!!今回だけだからね!?2度と行かないから!!」
ヤケクソで答えるとぱっと明るい顔を見せるのが可愛いです。ギャップ萌って奴ですよ……体の大きい人が子供みたいな表情とか、仕草をすると可愛く見えません?あれです!!
「行ってくれるん?デートやね!!1時に迎えに来るからそれまでに用意しとってな?」
……デート?何言ってんの……リゲルも行くからデートじゃ無いだろ……馬鹿なのか……馬鹿なのか……
「お嬢様……動きやすい格好の方がよろしいでしょうか?」
今まで黙ってと言うか、カペラが入ってきた時点で退室していたリゲルが帰ってきました……
クローゼットに向かい服の準備を始めてくれます。さすがリゲルです。部屋の外にいたはずなのに完璧に話の内容を理解している辺りリゲルらしいなと思います……
ほんと、どうやって聞いてたんだろ?