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呪術師と魔道士と出会っちゃったみたいです。

「この麗らかな日に学友がこの学園へと入学し遥かなる知識を求め学習できる事を誇りとし、学園に相応しい人となれる事を願い……以下略」

どうして、入学式のスピーチとはどうしてこんなに長いのでしょうかね。

そして、どうして新入生代表ではなく王子がスピーチを読んでるんでしょう?

「新入生代表が断ったからですよ。」

突然隣に座っていた優しげな少年に話しかけられた。突然の事に驚いたが何ともなく返事を返すことが出来た。

「へぇ〜名誉な事なのに断るなんて変わった人だね」「彼は変人ですからね。」

隣の人とヒソヒソと話していたら後ろから椅子を蹴られた。

「……?えっ?うわぁああ!?」

思わず叫び声が出てしまった。後ろにすわっていたのは呪術師でありあのゲーム史上災厄のヤンデレ枠である彼がすわっていたのだ。

咄嗟に横に座っていた人に気絶させられて無かったら私は、訳の分からぬことを口走っていた事だろう。


「大丈夫ですか?手荒な真似をして申し訳ございません……彼は、目立つのがあまり好きでは無いのです。」

うん、びっくりした。無視も殺せなさそうな優しげな少年が……まさか手刀で人を気絶させれるとは思わなかったけど……何ともなさそうだしまぁいっか?というか、呪術師と一緒にいるって事は彼は魔道士だろうか?

「悪い……椅子……」

災厄のヤンデレ君であるフード深く被った呪術師が申し訳なさそうに謝罪する。

「いえ……椅子を蹴られた事に対しては何にも……」

そうなのです、問題は後ろに座っていたのが呪術師で隣に座っていた彼が実は魔道士である事なのです……いや、ゲームでもスピカはここに座ってたんですけど……この後取っている授業がすべて同じであった事などもあり、仲良くなっちゃうんです!!

そうすると、ヒロインが攻略しに来るとお邪魔しちゃうわけで……ね?

「その、あまりにも後ろの彼が綺麗だったので驚いてしまいました……」

そうなのだ!!

呪術師の彼はイケメンというより美少女なのだ。

腰まで伸びた長くサラサラな黒檀の様に黒い髪に宝石のオニキスの如く光り輝く黒い瞳。この世界では珍しいが前世のカラーリングと全く同じなので親近感が持てるのだ。

「怖くないのか……?」

呪術師が不思議そうに問う。

「怖い?何故ですか?とても綺麗ですよ?」

私はニコニコとしながら答えた。ゲームではヤンデレな彼だけど本当に綺麗なのだ。

「……魔王って知らないかな?最初に習うと思うんだけど……」

「あぁ!災厄の獣人でしたっけ?」

魔王とはこの国が建国する幾年も前に生まれた災厄の獣の事を指している。

災厄の獣と言うより、人に変身することが出来たから獣人と呼ばれていた。

世界に混乱をもたらした魔王を倒した勇者がこの国を建てたと言われている。

「その魔王の髪と目の色は?」

そこまで馬鹿じゃない。魔王は美しい黒い毛並みの獅子なのだ。それくらい一般常識です!!

「両方黒ですよね?」

私はフフンと効果音がつきそうな程に自慢げに答える。べつに自慢出来るような事でもないけど。

「じゃあ、彼の髪と目の色は?」

「どちらも美しい黒ですわ!」

やはり、黒という色は引き締まってみえる。それにもと日本人としてはやはり黒髪に親近感があるのだ。

「何か思う事は?」

「黒い髪と瞳は美しいですわ!」

実際魔王は見目が大変麗しかったと有名なのだ。

そんな魔王なら殺されても構わないと言う女性が今でも絶えないのだ。

怪しい美しさはどこまで行っても人気なのだ。

「もしかして……君も魔王信者?そんなに見目麗しい魔王になら殺されても嬉しいとかいう質?」

……?もしかして魔王信者だと思われてる?たしかに魔王は美形だ。だがしかし!!美形だから何をやってもいいのだという訳では無い。イケメンでも人殺しをすれば捕まる。そのへんは平等なのだ。

「失礼ですわ。美しいものは生きてみているからこそ美しいのよ!!」

「これを見ても……」

そう言われ咄嗟に呪術を放たれる……咄嗟に避けたら後ろにいた隣の彼にクリーンヒットしてしまった!!


さぁさぁ呪術師と魔道士のお名前をさっさと晒したいところです。

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