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王子様ルートにも入ったみたいです。

私は、騎士様にエスコートされながら茶会の開かれている中庭に移りました。

「スピカ嬢!!」

「ええっと…殿下?どうなさいましたか?」

「!?」

あえて、殿下と呼んで普通の令嬢が王子に接する様に接してみた。

驚いた顔をしていたからきっとカペラが言うように私の対応が今までとはちがったから好ましく思って居たのだろうとどうでもいい事を考えていたら抱き上げられた。誰もが憧れるお姫様だっこだ。

「えっ?ちょ……カペラ助けて!!」

「無理やて!?いくら、俺が親しくしてもろとるからかて、王子やで!?」

つーかーえーなーい!!いざとなった時にどうしてこうも身分と言うものが邪魔をするのでしょう……四民平等ですよ!!あっ!?でも、四民平等でも、王子は王子か……

「アクルックス様……は助けてくれないですよねー?」

「えぇ。殿下の行動は制限出来ませんので。」


「ええっと……あの、殿下?」

抱き抱えられたまま私は恐る恐る王子の顔をのぞき込む。彼は眉間に深いシワを寄せ唇を噛んでいた……思わず眉間に手を伸ばしかけたがあまり動くと危ないので自粛した。

「それ、それが気に入らない。カペラはカペラと呼び捨てにするだろ?なんで、僕は名前すら呼んでもらえない?それどころか王子より恭しい呼び方に変わった。アルクは段々と君と仲良くなりつつある。でも僕は避けられてる。なぜ?」

それは、王子が王子だからだろ。カペラと対応を分けるのは当たり前だろう?

誤っても王子に身の回りのものを投げつけるなんて行為は出来ない。それぐらいは分かる。

「……?」

分からない。なぜ、王子がそんな事を聞くのか。不思議でたまらない。

「殿下はカペラ様に嫉妬なさっているのですよ。」

「アルク要らない事を言わないで下さい。」

…まじか。

好きになられるとは思って無かった。

「おかしいですよね。数度あったきりの貴女に恋をして婚約を申し込んで断られているにも関わらず貴女を想い慕っているなんて。」

何が王子の心を仕留めた……?やっぱりあれか、出会いは違えどヒロインと似たような態度を取ったことか!?でも、それが許されるのはヒロインであって、悪役令嬢がそんなことしても王子に好いてもらえるとは思えない。

「まぁ、別の人を探すべきでしょうね。貴方はこの国を統べる王になる様な人です。世継ぎも必 要でしょう。」

「でしょうね。まだ、こんな年と言えど私も男です。好きな人と子を成したい。」

彼は憎々しげに呟いた……噛み殺すような声に不安を感じる。彼が壊れそうな程脆く酷く儚げに見えた。おかしい……彼はそんなキャラじゃない。

「諦めて下さいって!」

「貴女を思うと夜も眠れない。貴女を思うと食事も喉を通らない。私は重症のようです。貴女にしか治せない。」

口説かれてる……?

しかも、私の弱い頼む様な物言い!それに、どうして、私なの?何があったの?どうしてなの?なんで、恋煩いになるほど私を思うの?いくら、疑問に思ってもだれも答えてくれないし私も聞こうとはしない。前世の恋バナじゃないんだから、他人の恋心を聞くことはできない。

「うぅ……でも……」

王子は将来ヒロインと結ばれる。少なくともスピカと結ばれるような事はない。誰のどのエンドでもスピカは自殺、暗殺、他殺、事故死、修道院、国外追放、処刑、沢山のお別れフラグが立っているのだ。まかり間違ってもスピカは王妃にはなれないのだ。

「もし、貴女が私の心移りを心配しているなら私は、他の女性を母上含め目に入れないし喋らないと誓いましょう。なんなら、貴女の手で僕の瞳をえぐり出してください。必ずしも貴女をを幸せにすると誓いましょう。」

あれ?私の知ってた攻略対象の王子様ってこんなやんでれちっくだっけ?

さっきまでは酷く脆く儚げだったのに今は少し狂気を孕んでいる様に見える。恋とは……こんなにも人を変える物なのか……

あれれ?

おっかしいなー。

王子様がヤンデレなゲームだなんてヤンデレ系のゲームしか見たことないよー?

普通の恋愛シュミレーションゲームを想定して書いてるんだけどな……(´・ω・`)

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