騎士ルートに入ったみたいです。
「 ええっと……ウエディングドレスっぽい…デザインですわね……」
「あら?そんなこと無いわよ。でもさすがスピカさんね、やっぱり似合うわ」
私の今のドレスは胸元にビジューが縫い込まれた白いシフォンワンピースに白いレース編みのショールを肩に掛けている。
さすが、公爵家の仕立てたドレスだ。しかも、アトリア様の手縫い……
「今日のお茶会は白をイメージしているの。カペラの衣装も白だったでしょう?お茶会楽しんでいらして?」
「かわええよ。安心しぃ。俺が守っちゃる。」
「いきなりかっこいい事言っても好感度は変わらないわよ?」
少しドキッとしたが、その動揺は微塵も感じさせないように答えた。さすが、公爵令嬢。腐ってもと言うか前世を知って別人になってもその辺りはしっかりしている。
「それがな、いきなり王子が訪ねてきてん。招待状を出しとるからには追い返せんし、姫さんに会いたい言いよるし、姫さんがおる事もバレてんねん。」
「あの、ゲス野郎……」
マジですか……思わず思ってる事が口から漏れた。信じられない。それこそストーカー被害にあった女性にでもなった気分だ。いや、実際ストーカーかも知れない。
「王子にゲス野郎なんか言う令嬢は姫さんくらいやろ。そこが王子にとって姫さんの特別な点とちゃうん?」
まじか、私のせいか!?!?
そう言えば最初ヒロインは王子とは知らずに話しかけるんだよね。
で、その後王子であることがバレるんだけど、それでも変わらずに接してくれるのが嬉しくて惚れるんだっけ?まじか……やってしまった……そんなこんなで王子に出くわすのってやっぱりフラグ?
「……スピカ嬢……そのドレスは?とても素敵です。」
さすが王子です……淡く微笑む様子はとても美しく絵になります。
「えっと……あぁ……あははは……似合いませんよね……ねぇ、カペラやっぱりアトリア様の手作りとか私には勿体なかったんだって!!」
なんで、初っ端から王子なの……もうちょっと時間に猶予を下さい!!いきなり過ぎます!心臓に悪いです。
「シリウス王子。今回はお忙しい中我家のような物が主催しました茶会に参加いだき光栄でございます。」
あぁ!!カペラナイスです、そのままお話を逸らしちゃって下さい!!ついでにそのまま家に帰してくれたら、なお嬉しいです!!
「あっあぁ……スピカ嬢はカペラの婚約者なのですか?」
あれ?思っきしスルーしませんでした?王子がそんなことしてていいんですか!?
「殿下、その様な報告は上がっておりません」
うんだって、お父様はスピカは王子の婚約者になりたがってると知ってたからどことも婚約して無いもんね!!
つか、なんで王子は心ココにあらずなの!?
「こちらとしてはスピカを我が家に迎えたくは有りますが、スピカの父上が。」
「そうですか。私も、改めて断られました。」
めんどくさくなってきたし……ソロっと抜け出してきたんだけど何故か隣には騎士様が居ます。
「王子の護衛は大丈夫なんですか?」
えぇ!?どうして、君はこんな所にいる!?王子至上主義どこ行った!?ベッタリくっついて離れないんじゃないの!?
「えぇ。俺は今殿下の護衛では無いので。」
……護衛……外されたままなんだ……なんか、ごめん……酷いこと聞いちゃったかなと思いつつ当たり障りのない質問を選んでしまう辺り意気地無しだ……
「あれから、進展はあったんですか?」
「えぇ。」
えぇ。しか言えないの!?
「今は、執事としても殿下に仕えれるよう勉強中です。」
oh…オールマイティにこなす執事な騎士様になりつつある……
「スピカ様のお陰です。
……殿下がスピカ様にご執心になられているのは分かってますが……どうやら俺はスピカ様に惚れたみたいです。邪魔にはならない程度で貴女を想わせて貰えませんか?」
お陰でも何でもないです……自然にそうなるのに勝手に手を出しただけの自己満足なので!!
「別に、王子の事好きでもないですよ……」
なんで、わたしがヒロインポジを奪いつつ有るんだよ。
いや知ってる、騎士のあれは騎士ルートに入るフラグだって。
それを、知っておきながら彼を慰めたのだ。バカにも程があると思うけど……それでも困ってる人を放って置くのは私の良心が許さない。
つくづく得しない性格だなって思うよ。うん。自己満足でも、困ってる人はほっておかないお人好し。ほんと、馬鹿だな……そのうちヒロイン攻略出来ちゃったりwww
やっと恋愛らしくなってきました。
複数の人とイチャイチャしますが、最終的には1人とくっついて貰う予定です。