第4章 偶然
「もぉ!ルイズとロズのバカ!」
置いていかれたリーラはフィーを連れながら街を散策していた。
「リーラ!あれ何?」
先ほどとは全く違う盛り上がりをみせる人だかりにフィーとリーラは吸い寄せられる。いま行われているのは駆け出しの鍛冶屋達が自分を売り込むために行っている武具市場。
ここの市場は時折出てくる掘り出し物が人気でいつも繁盛していた。
「フィーここに行きたい!リーラお願い!」
「ま、どうせやることもないんだし寄ってみようか」
「わああ!武器とかいっぱい!」
轍槍、弓、太刀、大剣、杖、剣、盾、甲冑に全身鎧までありとあらゆる武具が揃う。武器や鎧に命をかけている者にとっては夢の世界。
リーラにとっても悪いものではなく以外に楽しんでいた。
まっすぐ続く道で行われる市場は入口に人気の高い鍛冶師がいて後ろは基本無名か新人鍛冶師が占めており奥に行けば人数は少なくなる。
壁際最後の露店まできたときフィーの足が止まり商品を掴む。
「リーラ!この竪琴みて!凄く綺麗!」
フィーの手に握られた竪琴は細かに鉱石が散りばめられていて美しい。
「あ、あのそれ私がつ、作ったの・・」
店から聞こえた声に目を向ける。
こちらをフィーと同じ大きさの少女が見つめていた。
フィーが目を輝かせて少女の手を掴む。
「これスゴイね!あなたの名前聞かせてよ!」
いきなり手を掴まれ少女の手が少し震える。
「わ、私の名前は、ララ・・・ピクシーのララ・・」
「ララちゃん!凄く素敵な名前ね!フィーはねフィーだよ!」
ララの頬が林檎のように赤くなり思わず顔を隠す。
「ララどうしてお顔隠すの?とっても可愛いのに」
フィーの可愛いという言葉がララの耳まで赤く染め上げる。
「だって・・私日陰者だし、友達とか出来たことないから・・・それにか、可愛いとか初めて言われてその・・照れるというか・・・」
下を向くと大きく息を吐き気持ちを切り替えた。紛いもなく鍛冶師の顔であり千載一遇のチャンスを逃さんとする商人の顔に。
「そ、その竪琴、買ってはいただけないでしょうか?それは召喚師が使えば聖獣を召喚することが出来ます。」
聖獣とは召喚師によって召喚された指示を聞く魔物のことだ。基本的に聖獣は召喚師のレベルに合ったものが召喚される。またそのような武器は非常に数が少なく高価だ。地上で買おうものなら家の一件や二件はくだらない。
そのことを知っていたリーラはとりあえず価格だけ聞く。
「えっと・・・私はまだ無名の鍛冶師です。なのでこの竪琴のことを広めてもらえるのならば魔晶石50個で構いません」
「え!?魔晶石たったの50個ってホント?」
妖精の孤島とはいえ召喚師専用の武器が魔晶石50個とは破格でゴライアスの遺品物『再生の雫』 があったとしても交換できるかはわからない。
「え?あ、はい。構いません。でもちゃんと広めてくれるならということです・・・あの、よろしいですか?」
通常価格よりも格安で手に入る。それにフィーの職業は召喚師。今までは武器が高価すぎて買えなかったために魔笛しか持たすことができなかった。
「もちろん買いよ!ちゃんとここを宣伝するわ!」
「フィーもララのお店宣伝する!」
ララに魔晶石を払うとさっそく魔導手帳に登録をする。
フィー 職業 召喚師 種族 風精霊
Lv.40 体力120 魔力210 魔法Lv.C 演奏Lv.D 魔法防御221 物理防御130 精神抵抗G 走力G
(新) 妖精の歌声 追加効果
召喚魔術の早熟 上位聖獣召喚 特異範囲倍加 異能強化
異能体質 経験値分配 経験値倍増
異能体質とは生まれ持った特異な力をさしこの力を持つ者は数が少ない。
「ララありがとう!さっそく使うね!」
竪琴を優しく握り弦を軽くなでる。「ポロン・・」と儚げなおとが響き小さな魔法陣が展開し赤く光る。
召喚される聖獣は誰にもわからない。高鳴る鼓動を抑えながらその瞬間を待つ。
「どの子でもいい。でも・・・ルイズゥの手助けになる子が来て欲しいの・・・」
儚い少女の想いに呼応し魔法陣が展開した。




