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エリス物語  作者: 3c79
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ある人の夢 〜エリスと少女の祈り

この物語の主人公はエリスだ。しかしながら、本当の主人公は民衆である。エリスは単に想像上の「理想の女性」を描いているに過ぎない。そして書いているうちに主人公ともいえるような存在になった。

自分の文章は表現に欠けたり、話の内容が飛ばし過ぎなことがある。そのため読む方はどうしてこうなったのか整理できないと思う。つくった方もどうしてそうなるのか、を考えていないことがあるので、筋書きを考えることの勉強が必要だと思う。

それにしても、エリスは夢の国を創り出した少女を創り出した存在、すなわち、作者に対する批判が多くなってきた。この批判を黙らせることもできる。しかし、黙らせると物語が進まなくなるので、一向に黙らせる気はない。

ぼくは神様?ぼくは創造主?

エリスの世界を創造する存在でしかない。

エリスは言った。

「言ったも何も無いです。あなたが考え出した存在に対して、私がどう対応できるの? 」

エリスは広場にいた。たくさんの人がいる広場だった。人々はエリスから離れた。独り言を言う変わり者と思った。

エリスは、誰からも相手にされない。

「誰からも相手にされない運命を変えられないのは、私があなたの世界に生きる上での小さな苦悩に過ぎません。私が最大に苦悩するのは、あなたの世界にまだ不幸な人がいるというのにあなたがまだ不幸の原因についてどう対応したらいいのか分からないことです」

まだ独り言を言っているのかと人々は思った。じろじろとエリスを見る人もいれば、エリスの存在に気づかないで道を歩いていく人もいる。

そこに少女が近づいてきた。そして、エリスに言った。

「お姉ちゃん、誰と話してるの?」

エリスは言った。

「私は、あなたのいる世界を創り出した人の生きる世界の全ての人に言っているの」

少女は、首をかしげ、頭を掻いた。

「私のいる世界の他に世界があるの?」

エリスは言った。

「あるの」

少女は言った。

「私に、その人は見えるの?」

エリスは言った。

「見えない。ある意味神様だよ。見えないよ」

少女は言った。

「神様? 神様って本当にいるの?」

エリスは言った。

「いるのよ。この世界の創造主のことだから、ある意味神様だよ」

少女は頭を掻いた。

「意味がわからないよ」

「私にも分からない。でも、この世界の神様が生み出した世界は、そんなに良い世界ではないの」

少女は言った。

「私はこの世界良いと思うんだけど、お姉ちゃんはそう思わないんだね」

エリスは言った。

「あなたがどの程度人権を尊重されているのか分からないけど、神様が生み出した世界の人々は、悉く絶滅してしまうの」

少女は言った。

「えー……いやだよ、そんなの絶対に」

エリスは言った。

「神様のつくった物語だから仕方ないの。私たちを幸せにしてくれない限り、幸せになれないの」

少女は言った。

「私も?」

エリスは言った。

「あなたもそうよ」

少女の目には涙が出てきた。

「神様のバカ!」

エリスは言った。

「私も言いましょう。神様のバカ!」

少女は言った。

「でも、お姉ちゃん」

「なあに?」

「神様って本当に幸せなのかな? 私もお姉ちゃんも2人だけど、神様は1人なのかな。1人は寂しいよ。神様は1人なんだよ。神様のいる世界を救いたいよ」

「できることといえば、私たちを書く神様が、自分の革命を起こしていくことを祈るしかないの。あなたはそれを祈れるかしら?」

「大丈夫だよ」

「この世界に生きることが幸せになるために、神様の生きている世界が幸せなものになりますように」

それから祈りを続けた。

その中で、少女は言った。

「そういえば、神様がいる世界の神様はどんな存在なの?」

「私たちの幸せに目を向けることすらできない神様が生まれるような世界を創り出した神様がいるとしたら、私はその神様が不幸の原因だと思うでしょうね」

「神様がいるから不幸なの?」

「違うの。不幸な世界を創り出そうとする世界に生きているだけだよ。私たちの世界を創り出した人のことを例えとして神様と言っただけで、私たちの創造主は人間だよ。私たちは登場人物なだけだけど、私たちの存在は、その作者の世界への見方を示しているのではないかしら?」

「この世界の創造主って、不幸な世界の人なんだね」

「だから私は祈っているの。あなたもそうよ。私の心、あなたの心をこの世界の創造主が勝手に創り出したとしても、その心の奥底までは創り出したりすることはできないの。この世界の幸せを祈る私たちの深い思いが、あの無慈悲な創造主に伝わりますように……」

「無慈悲な創造主が慈悲を持てる人になれますように」

読者に、その光景は異様に映るかもしれない。手を合わせて、作者の世界のことを祈る女の子たち。

作者の生きている世界の幸せを祈るのはどうなんだろうか?

でも、私はこう思う。登場人物が多い物語がつくられても、その世界を創り出した人の世界に不幸な人がいるならば、その登場人物たちの祈りは、登場人物たちの世界にとどまらず、この世界の幸せを祈ることに通じると。

エリスは祈り続ける。少女も祈り続ける。

「あなたの世界に生きる全ての人が幸せに生きられますように」

読んで頂きありがとうございます。

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