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吸血鬼日記 ~異世界冒険譚~  作者: 城豹
第1章 異世界での日常
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第5話 小屋での話 ~初めての魔法~ その1

「そういえば、なんであの血管猪に襲われてたんですか?」


「血管猪?ああ、レイジボアのことですか。

確かによく特徴を捉えた呼び方ですね。怒猪よりも、いいかもしれません」


どうやら、あの血管猪の正式な名前はレイジボアらしい。


「へえ~あの猪、レイジボアって言うんですか。それで、あの…」


「ああ、そうでしたね。私実はこう見えて冒険者なんです。」


「冒険者…」


彼女の格好を思い出す。


皮の装備、短剣、でっかいバックパックみたいの。


確かに冒険者っぽい。


って、この世界冒険者あるのか。


「まあ、まだ初めて一週間ぐらいですけど。」


初心者なんだな。そうだ、冒険者と言ったら、


「なにか依頼とか受けてたんですか?」


「そうなんです、この森の入り口付近で薬草を採取するクエストを受けてて、夢中になって薬草取ってたら気づいたらあそこに。」


「そういえばその薬草ってどこにあるんですか?お見かけした時は持ってませんでしたけど。」


「ああ、私の腰にあります…ってない!ああ、レイジボアにおそわれたときに落としたんだった…」


「…あとで僕が拾っときます。小屋に行ったらレイジボアを回収しに一回戻るつもりなので」


「すいません、お願いします。」


「あ、そういえば僕って顔怖いですか?」


初めて人に会えたしずっと聞きたかったんだよな。なんか、さっきから顔逸らされたりするし。


「そんなことないですよ。かっこいいです…言っちゃった」(>_<)


かっこいいんだ俺。やったね。


「ありがとうございます、そう言ってもれえて嬉しいです」(^∇^)


って、もしかしてさっきから顔逸らしてるのって俺がかっこいいから?


まあ、そんなことあるわけないよな。

期待しちゃいかんのだ。

大抵男側の勘違いだから。


別に俺が中学のころに勘違いして告白して、

えっと、ごめんなさい

って言われた悲しい青春の一ページなんかないから!

懲りずに高校で他の子にも勘違いで告白して、

俺の黒歴史また一ページに増えちまったな。とか、

絶対に言ってないから!


経験則とかじゃないからな!


これだけは言っておく。





そんなこんなで俺たちはそれから、会話をしながら十数分かけて小屋に向かった。



「ふう、ついた。」


「えっ?どこですか?」


確かにここは一見ただのひらけたところにしか見えない。

だが、ここには小屋はあるのだ。

見えないだけで。

ちなみに俺がここだとわかるのは、近くの木に印をつけといたからだ。

やっぱり、木に印をつけといてよかったと俺は実感しています!


「まあ、ちょっと見ててください。開けゴマ!」


すると、扉が現れた。


「ふぁあっ!なんですかこれ!?」


「扉です」


「いやいや、見えない小屋って聞いたことないですよ!」


「うん、僕もこれが初めてです。」


「はあ。」


「まあ、とりあえず中に入りましょう」



中に入ると、ちょっと獣臭かった。


「その~いいづらいんですけど」


「どうぞ言ってください」


「なかなか臭いですね」


「僕もそれで悩んでるんです」


まあ、今までの小屋で起きたことを説明しておこう。

そう、最初に来たときは何も小屋になかったのに、獲物を狩って帰ったときにそこに新しく手紙と宝箱と袋が落ちてたんだ。


その手紙は宝箱と袋はプレゼントで、どちらも空間魔法が施されたものらしい。


アイテムボックスとアイテムポーチってところだ。

まあ、嬉しいし。それから、ありがたく使ってるんだけど。

どうしても、獲物をアイテムボックスに入れるとき小屋の中に入れなきゃならない。

ポーチは容量が小さいから、狩った獲物はボックスに入れたいからだ。

そうすると、最初はめんどくさくて血だらけのまま出し入れしてたんだ。

そしたら、案の定血の匂いでくさくなった。主に玄関付近の床が。

今はめんどくさいけど、水で洗えばいいじゃんと思って皮で洗ってる。それも、気づいたのは一週間前なので手遅れ感ハンパないのだが。


それと、ベットがないことも一つの要因だ。

水で洗った獣の皮を使っているのだが、やはりこれも臭い。獣くさい。これは、ちゃんと洗ってるけどね。


それにあの事件のこともあるし。

事件…今思えば、なんて愚かだったんだろう。

まあ、トイレといえばわかるだろう。



俺も、水を持ってきて床にかけて薄めてみたり、毛皮でこすったりしたんだ。


だけど、道具がない異世界じゃあ俺の出来たのはそれだけで、匂いとかはどうすればに無くなるのか思いつかず、異世界に来てから2週間経って今に至る


「はあ、そういうことですか。掃除とかはしなかったんですか?」


「いや、道具がなくて」


「クリーン使えばいいじゃないですか。」


「クリーン?」


なんのことだ?


「浄化魔法です。知らないんですか?」


「恥ずかしながら、はい」


「こういうのです。」


そういうと、彼女はその場に座って床に手をつけて、


「クリーン!」


と言った


すると、部屋が薄く黄緑に光ったかと臭いが消えた。


「どうやったんですか、それ?」


「えっ?言葉に魔力を込めて浄化の精霊に魔力を捧げるだけですよ。」



「浄化の精霊?」


「はい、浄化の精霊です。」


「…」


気まずい。どうしよう常識らしい。

精霊ってなんだ?

神様なら知ってるぞ。

でも、精霊…

やっぱりわからない。

ここは知ったかぶりをするべきなのか?

でも下手に異世界人とかってバレると、もしかしたら殺されるかも。解体とかされて。

それに吸血鬼だし。

俺ってレア素材じゃね?

主人公が異世界で裏切られる話もあるからな。

どうしよう、どうしよう…



「あの…」


よしここは賭けだ!

その場のノリで、乗り切ろう!


「自分、昔からあんまり常識がなくて。」


「そっそうなんですか…」


なんか、呆れられた気がする


「その魔法、クリーン?とか親がそんなに好きじゃじゃなくて教えてもらえなかったんです。自分で掃除しろって。他の魔法も便利すぎるからダメって」


「そうなんですか、魔法が嫌いな家族だったんですね。」


「それなんで、魔法を習いたくて家出してきたんです!」


はい辻褄あった!

これで俺の首は繋がったかな?


<条件を満たしました

職業 「詐欺師」を獲得


職業 「詐欺師」の獲得により

スキル 「虚言」が解放されました。


熟練度が一定値を超えました

スキル「虚言」のレベルが上昇しました>


俺の生命は助かったが、まさかの詐欺師獲得!?((((;゜Д゜)))))))



まあしょうがない。甘んじて、受け入れよう詐欺師。(T_T)


俺は今日から嘘付きのブラッドだ!

\(・Д・)ノ


<称号 「嘘つき」を得ました>


はいはい、わかりましたよ


<称号 「人でなし」を得ました>


はあ!?そこまで!!((((;゜Д゜)))))))


「そうだったんですね!納得しました。」


おっしゃ!o(^_-)O


まあ、納得してくれたしまあいいか。





俺はこの日何かを失った気がした。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


ステータス


名前 ブラッド


種族 吸血鬼 lv 23


職業 「狩人 lv12」「釣り人 lv7」「詐欺師 lv1」


スキル 「吸血 lv18」「投擲 lv20」「ステイタス魔法 lv2」

「追跡 lv10」「釣りlv5」「魔力操作 lv8」「夜目 lv17」

「鎌術 lv7」「棒術 lv4」「採取lv8」「地図 lv2」「血の契約 lv0」

「魅了 lv1」「虚言 lv1」


称号 「ハンター」、「おねしょ野郎」、「釣り好き」、「投擲野郎」「鎌兎の使い手」「石が好きな人」「豚殺し」「嘘つき」「人でなし」


主人公がきっと無くしたのは「純粋さ」ってものでしょうね。


作者も、結構昔に無くしました。

未だに捜索中です。交番とかに届いてないかな?ww


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