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吸血鬼日記 ~異世界冒険譚~  作者: 城豹
第1章 異世界での日常
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第2.1話 吸血鬼が川で洗濯してると果物が……

追加のお話パート1です


別にストーリとは関係ないので、飛ばしても問題ないです。

異世界 2日目


昔々あるところに、青年がおりましたとさ。青年は初めての世界にウキウキしてすっかり排泄物の処理を忘れていましたとさ。

すると、どうでしょう。夜になって、トイレに行きたい、トイレに行きたいと頭が訴えかけます。

しかし、なんということでしょう。

真っ暗な森の中で青年は小便することを渋り寝てしまいました。


翌朝、青年が履いていたものは、何やらアンモニア臭のするもので濡れていました。



というわけで、 現在、私は川の近くにいます。

というのも、例のぶつを処理しに来ました。

はい、ぶつです。察してください。


ゴシゴシと下半身裸の男が川辺でズボンとパンツを洗っています。


すると、どういうことでしょう。

どんぶらこっこ、どんぶらこっこと言って木の実が流れてきました。


「おっ、木の実だ。」


あれは上流から来ているのか。

これはラッキーだな。今日のデザートにしよう!


川の中に入り果物に手を伸ばすと一緒にどんぶらこっこどんぶらこっこと、木の実を握りしめた猿が流れてきました……はあ!?


何あれ?というか、生きてたら不味くね。


俺は念のために木の実はしっかりと握りしめて川辺に戻った。しかし猿はそのままドラマでよく見る水死体のポーズをしたまま動くことなく下流に流されていった。


状況を分析しよう。木の実と一緒に猿が流れてきた。

これはつまり川の上流側に食べることのできる木の実があるということである。あの猿の状態をかんがみるに、川の近くで木の実を食っていたところ何かに襲われて川に落下しそこまま死んだか気絶したと。

これは木の実はあるが木の実を食う動物とその動物を食うやつがいると考えていいな。

しかし、どうしよう。これはチャンスだ。もし木の実を定期的に手に入れるもしくは大量に手に入れられれば生活が少し楽になる。ただ、強力なモンスターに出会う可能性も大いにあるということだ。

まずは、この木の実がそのリスクに見合う価値があるのかを調べよう。

よし。手に持った木の実を取り敢えず齧ってみる。


「うっま!」


見た目は茶色くてあんまり美味しそうじゃないのに、スゲぇ甘い! 皮を剥いたら果汁がドバドバ出てくる。


「よし、行こう。いざ冒険に!」


とその前に体とズボン乾かさないと。



△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼


十分後


なんか面倒くさくなってすべての持ち物がだいたい乾いた後、俺は川で飲み水を確保し上流に向かった。


一応、帰り道がわからなくならないように最初にいたところの地面に大量の木の枝を突き刺して目印にしておいた。あと、途中の木にも矢印を書いているので二重に大丈夫だろう。


さて、結構歩いたが……あれがもしかしてそうなのだろうか? ちょっと先にある巨木の枝にはあの美味かった木の実がたくさんついている。そして、木の上では一匹大きい蛇がなんか他のモンスターを咥えていた……よく見ると小さいあの猿と同じ毛皮の色だ。


「こ、これは戻ったほうがいいかもしれない。」


あの猿はきっと群れごとあの大蛇に襲われてみんな食われたのだろう。だってさ、大蛇の周りに猿の腕みたいのが落ちてるもん。あの蛇絶対やばいやつだよ。


そうよ決めたらさっさと帰ろう……んっ!?


ドンッ!!


ゆっくりと後ろを振り返ると、巨木の根元でとぐろを巻くあの大蛇と目があった。


いやなんで落ちたの!? 結構高かったよね! 見た感じ三階建ての建物ぐらいの高さあったよ! どんだけ強者のオーラ出してんだよ! 絶対こいつ強いよ!


蛇に睨まれたカエルというのはこれを言うのだろう。体が怯んで全く動かない。これはやばい。逃げないと。

大蛇はそんな俺に気にせず俺のほうに向かって動き出した。


いやいやいや。いきなり強いって、二日目でいきなり大蛇はないでしょ。俺絶対勝てないよ。

ちょっと神様、助けてください。お願いします、もうこれはハードモード過ぎです。


すると、願いが通じたのか体が自由になった。俺は急いで川に沿って走り出す。さっき大蛇のペースだと走ったら俺のほうが早いから大丈夫だろ。

どんどん巨木から離れていく。

はっ吸血鬼パワー舐めんna……後ろにはさっきよりスピードを上げてものすごく器用に木々の間をすり抜けあと数秒で俺に追いついきそうな大蛇があった、ってえええええええええええええええええええ!

まじすか! ヤバイヤバイヤバイヤバイ!これじゃ追いつかれる!

しょうがない、やるしかない。俺は腰から昨日のうちに拾い集めた石を取り出した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ブラッドハ石ヲ投ゲタ!

シカシ、弾カレテシマッタ(−_−;)

効果ハイマヒトツノヨウダ


ブラッドハマタ石ヲ投ゲタ!

シカシ、避ケラレテシマッタ ( ・ ・ ;)


ブラッドハ大量ニ石ヲ投ゲタ!

クリーンヒット!

シカシ、ダメージハナイヨウダ ∑(゜Д゜)

効果ハ全クナイヨウダ!?


テレレレーン⤵︎⤵︎⤵︎

大蛇ハ怒ッテイル。走ル速度が上ガッタ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


へいへいへい! どういうことだいブラざぁー! なんで蛇があんなに速いんだい!? というか当たったのに全く動じないってどういうことですか!? 俺にはもう対処できないぜ!


どうするか……そうだ! よしここは一か八かあれをやるしかない!


俺は突然反転し今まで進んでいた方向と逆向きに、蛇に向かって走り出した。


これぞ必殺「突然突っ込んでいく作戦」!!


案の定、突然の動きに蛇はついてこれず動きが鈍り、俺は元の道に戻ることに成功した。実際大蛇との距離を開くことに成功した。


ここはチャンスだ! このままうまく行けば蛇をまける。


そう思って全力で逃げる俺。しかし、体制を整えた大蛇はそれを超えるスピードで徐々におれに迫ってきた。ちょっとしつこくてムカついたので、唾を吐きかけたら目に入ったらしく一瞬動きが止まった。


ざまあ!


しかし怒ったのかさらにスピードを上げて俺を追ってきた。


もう無理だ。俺は異世界2日目で死んでしまうのだろうか……。


走っていくうちにだんだんあの巨木に見えてきた。


あれが俺の墓標になるのか。まあ、あの美味い木の実の肥やしになれるならまだいいや。ん? あれはなんだ?


徐々に巨木に近づくと巨木の近くの木の上に一際ひときわ大きな影とその周りに幾つかの小さな影が見えた。


「まさかあれは!」


俺はその影に一縷の望みをかけて巨木まで走りそこを通り過ぎる。そして俺を追って巨木に大蛇が近づいた瞬間。


「ぐごぉおおおおおおお」


「「「「「キッキイイイイ」」」」」


大量の小さい猿と一匹のでかい猿が枝から飛び降りて大蛇に襲いかかった!


「シャアアアアア」


「ぐごぉおお」


そして一際大きなゴリラ見たいのが大蛇にジャンピングアタックを食らわせた。


あの猿、きっと蛇に食われた猿と同じ群れなのだろう。毛皮が同じなのでわかる。そしてあのでかいのがボス猿なのだろう。丸太のように太い腕、下顎から伸びた鋭い歯、そして頭から背中にかけてかかる茶色の中に混じる白い毛。どう見たってボス猿だ。シルバーバックとかってやつだ、たしか。

彼らはきっと仲間の報復に来たのだろう。どうせ生き残りがいてボスを呼んだって感じかな。


俺は木の影に隠れて戦闘を見守った。


結果から言うと、猿の圧勝だった。最初は蛇も奮闘していた。その証拠に普通の大きさの猿が何匹か怪我を負ったり、死んだりしている。しかし、俺とのチキンレースで体力を削られ疲れているところにあのボス猿だ。まあ、普通負けるだろ。だってさ、最後とか木をハンマー代わりにして大蛇に叩きつけてるんだぜ。あれは負けるっていうか、あんなにグチャグチャになるは。


猿達は死んだ大蛇を食べて食事をし、暫くすると骨も残さずに食いきって自分達の住処に帰っていった。恐るべしモンスター、まさか骨まで食うとは。


ぽとっ


「痛っ!」


なんだよ……って木の実じゃん。上をみる。どうやら、偶然木の実が落ちてきたようだ。


「もう帰るか。」


木の実は手に入ったし俺はもう危険な目にあうのは嫌なので帰ることにした。



<<経験値を獲得しました。天恵スキルにより経験値が増加します。種族レベルが上昇しました。


熟練度が一定値を超えたので、スキル【投擲】のレベルが上昇しました。


条件を満たしたので、スキル【逃走】を獲得しました。>>



△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼


ステータス


名前 ブラッド

種族 吸血鬼 lv 7 UP!

職業 「狩人 lv1」

スキル 「吸血 lv1」「投擲 lv2 UP!」「ステイタス魔法 lv1」「追跡 lv0」「逃走 lv1 New!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


スキル【逃走】

逃走する時に素早さが上昇する。


獲得条件 : 自分より強い相手から逃げ切る。

派生ジョブ: 【逃走者】


ジョブ【逃走者】

逃走のプロ。逃走する際、最適な経路ルートを示される。

獲得条件 : スキル【逃走】を保持、かつ10回以上命がかかった逃走劇に勝利する。


という訳で、第2話と第3話の間の小話その1でした。


登場人物が一人しかいないので、文章がなんか味気ないと作者自身思ってたりします。


追加したスキルは最新のお話のみ加えておこうかと思っています。

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