第34話 ポッポンマスター その3
今年初の投稿。とりあえず途中までできたので投稿しました。
新年明けてからしばらく経ってしまいましたが今年もよろしくお願いします。
※連続投稿を期待している方はごめんなさい。次の話まで間が空くのでしばらく経ってから読む方が人によっては良いかもしれません。
『両手に薔薇』状態になってから数日が経った。
ここ数日は本当に色々なことがあった……。戦いに行っていないのに痣が増えていく日々とはもう「さよなら」といいたい。
そう、今日は久ぶりに冒険者らしいことをする予定なのだ!!
だが、いつもとは多少違う。
何が変わったかというと、いつものパーティにメロさんが加わったのだ。
そして今、俺たちはポッポンフィーバーに向けてウルグを強化するべく草原に向かっているのだが……
「あんた、こっちこないでよ。ブラッドくんに嫌な臭いが映るでしょ。」
「そっちこそ何言ってんの? 女友達(仮)の癖に!」
「はあ?」
なんだかんだ趣味が似ていて時折楽しそうにしている時も見かけるようになったセイラさんとメロさんの二人だったが、メロさんの「私、ブラッドくんのパーティに入る」という一言によってまた一悶着あった。
簡潔にどうなったかをいうと、セイラさんが猛反発して、メロさんと決闘になり、引き分けになったため、妥協案として仮メンバーとしてパーティに入ることになった。
意外にもメロさんが強かったのだ。
武器はチャクラムと呼ばれるワッカ型の刃物で投げて使うものらしい。手裏剣みたいなものだな。
それを剣みたいに使ったり、投げたり結構凄くて驚いた。
後で聞いた話なのだが、チャクラムを使い始めたのはなんか一時期チャクラムダイエットという物が流行ったらしいからなのだ。
それで、使ってみたら案外しっくりきたので運動ついでに練習していたらしい。
まさか、理由がダイエットとは……
結局、メロさんがパーティに加わることとなった。
「はあって。お下品ではなくて?」
「はあ?」
「はああ?」
「ぴゃああ?」
「いや、ウルグは真似しなくていいから。」
にらみ合う二人。軋む両腕。
正直言って辛い。
なんか、二人とも少しは和解している筈なのだが、元々性格が合わないのか何かと喧嘩している。
ふう、大変だ。だが、この口論もここで終わりだ。
なぜかって?やっと目的地に着いたさ。
俺たちがやって来た場所はあたりに大鼠とかポッポンとか、ウルグの相手にちょうどいい奴らがちらほらいる絶好の訓練スポットだ。
なんか、冒険者の初心者御用達の場所らしい。ギルドで教えてもらった。
「ウルグ、こっち来い。」
「ぴっ?」
「じっとしてろよ。」
「ぴゃ!」
「えーっと、これがここで、あれがここで。……んっ、よしっ。動いていいぞ!」
「ぴっ、ぴっー!!」
「ウルちゃんカッコいいわよ!」
「ブラットさんこれならウルちゃんも楽に大鼠倒せそうですね。」
「そう思いたいですね。」
今回、我れらがマスコットことポッポンのウルグには新装備を与えている。
鉄製トンガリヘルメットだ!
ドングリの帽子を鉄で作った見たいのをイメージすると近いかもしれない。
前回の訓練で、ウルグの攻撃、まあ突進なのだが、体が羽毛でふさふさなためか見た目より威力が低かったことがネックだった。また、自身の体重が軽いせいか突進すると自身も吹っ飛んでダメージを受けていた。
そこで、ウルグの体重を防具をつけることによって増やし、かつ尖ったものをつけることに寄って殺傷能力を上げようと思い鍛冶屋のゼノさんに特注で作って貰ったのだ!
ちなみに防御面も心配だったので皮装備も試しにつけさせている。
まあ、どうなるかは見てのお楽しみだ。
「ウルグ、どうだ重くないか?」
「ぴゃあ!」
走り回り大丈夫なことを示す。一応、ゼノさんのところでチェックはしているが実際に動くとどうなのか心配だったが問題ないようだ。
「よし、じゃああそこにいる大鼠にリベンジマッチだ。」
「ぴゃあ!」
「頭から突っ込むんだぞ!」
「ぴゃ!」
「よし、行けっ!!」
俺の合図と同時に体が白いモヤモヤした光に包まれたウルグがちょうど近くでのんびりしていた大鼠に向かって走りだす。
白いモヤの正体はスキル『突撃』によって発生したエフェクトだ。スキルはこういうエフェクトと呼ばれるモヤが出ることがよくある。
スキル学者、驚きだがこういう職業の方々によると本人のやる気が魔力として外に溢れ出ているのではないかという説が最も有力らしい。異世界は謎ばかりである。
「これなら、行けるか?」
スキルによって大鼠に近づくに連れてウルグの速度が徐々に上がっていく。
このぐらい勢いがあればきっと前回のようにフラつかせるだけでなく、大鼠を吹き飛ばすことも可能だろう。
「ぴゃあ!!!」
「キィキッツ!」
突風のように走るウルグに大鼠は気がついたが、もう遅い。双方、間の距離はすでに約2m弱。
大鼠よ、お前は既に我が下僕の射程距離内!チェックメイトだ! (キリッ
ついに、ウルグが大鼠を吹っ飛ばすと思ったが──トンガリが大鼠のぶよぶよの脂肪に突き刺さって抜けなくなった。
「「「……あっ。」」」
「きゅうううう!」
「ぴゃああああ」
暴れる鼠、振り回される鳥
これぞ『ねずみとり』
なんてな。
「……セ、セイラさん。やっておしまいなさい。」
「あっ、はい!行きます!えいっ」
セイラさんは矢を素早く番えると矢を射った。
そして、射られた矢は寸分たがわず暴れる大鼠の頭に突き刺さり息の根を止めた。
「流石、セイラさん。」
「ありがとうございます。……ふっ」
「な、何よ!」
「いえ、別になんでもないですよ。プププっ。」
「わ、私だってチャクラムでそのぐらいできたしぃ」
「へぇ〜」
「まあまあ、二人とも。ウルグがこっちにくるからその辺で。」
なぜ、ここまで二人は仲が悪いのだろうか。まあでも、そこまで険悪な雰囲気ではないから大丈夫だろう。
あとはウルグに任せるか。
そんなウルグは敵を自力で倒したと勘違いしたのか得意げに兜の角に突き刺したネズミをブンブン振り回して走って来た。
「ぴゃあ、ぴゃあ!」
褒めてくれと言いたいらしい。ここで事実を言うのもなんだし、褒めておこう。俺は褒めて育てる主義なのだ。
とりあえず、頭に刺さったネズミを取ってやりウルグの頭をさすってやった。
「まあ、次は頑張れや。」
「ぴゃ!」
その後も、ウルグとネズミの戦いは何度も行われ、太陽が真上から傾き始めたぐらいの頃には自力で倒せるほどになっていた。
「それにしても、セイラさんの弓は凄いよな。」
「いえそんなことないですよ。」
「ねぇねぇ私は?私は?」
「メロさんも凄いです。武器を巧みに操って戦う姿はすごかったですよ。」
「えへへ」
「ぴゃあ。」
「ウルグお前も頑張ったな。」
今日はそこそこ頑張ったと思う。ちなみにウルグのトンガリ帽子は相次ぐ戦闘(突き刺し)によって黒ずんでテカってる。まあ、このままでもなんか歴戦の武器感が出ていて良いのだが、ちょっとスプラッタなので後で浄化魔法でもかけようと思う。
そうだ。ウルグのステイタスを確認するか。
俺のステイタスにある眷属の欄からウルグのステイタスを観覧する。
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スキル : 【疾風】【突撃】【衝撃緩和】
称号 : 【吸血鬼の眷属】【食いしん坊】【街のアイドル】【串刺し鳥】(NEW!)
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まあ、スキルの説明をすれば、
【疾風】は移動速度を上げるパッシブ系のスキル。
【突撃】は突進攻撃の威力を増大するスキル。モヤ出してたのはこれだな。
【衝撃緩和】、これはきっと突進してぶっ飛ばされてたから手に入れたのだろう。文字通りぶつかった時の衝撃を緩和するスキルだ。
スキルは増えなかったみたいだが、称号は増えている。試しに押してみると、
【串刺し鳥】: 串刺しにされるのではなく、する側の鳥に与えられる称号ww 貫通系の攻撃に補正。
なんか、ふざけてるけど使えるからまあいいか。
他に何かあるかな?
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種族 : ポッポン・ダムピール lv15《Max》 (6UP!)
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へぇ〜レベル結構上がったんだな。Maxか。
上限ってあったんだな。
他には……
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状態 : 良好 《上位個体に進化可能》
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ふーん。上位個体に進化可能ね。
へぇ〜進化ね。
…………。
いま、凄い興味深いものを見たような気がするのだが見間違いかな?
もう一度見てみるか。
目を擦ってもう一度見てみる。
『状態 : 良好 《上位個体に進化可能》』
「………。」
「ブラッドさん。どうかしましたか?」
「………。」
「ブラッドく〜ん! ヤッホー?」
「………。」
……上位個体に進化可能。これってさ。これってさ。もしかしてさ。もしかしてだけどさ。
「ポッポンから黄金鳥に進化すんじゃねぇええええええええええ!!!???」
「「ええええええええっ!!!」」
「ぴゃああああああああ!!」
展開を早めるためにメロとセイラの戦闘はカットしました。すいません。
もし、要望とかがあれば書きますのでご遠慮なくどうぞ。
最近忙しくて……
次の更新はしばらく後になりそうです。すいません。




