第2話 狩りのあと
4/6 タイトルと内容を弄りました。(いままで少なかった描写を追加しただけでストーリーには影響ありません。)
ウサギとの戦闘後、俺はなんとか川を見つけた。
あのあと兎は、一応鋭くなった爪を使ってなんとか解体し、肉と毛皮と尻尾付きの壊れた鎌に分けた。
鎌は兎が使ってたように遠心力を利用して投げれば武器になると思い今腰に尻尾を巻いている。壊れてはいるけど、ないよりはましだろう。
「洗うか。」
川の水を使って兎の血がべっとりついた手足や毛皮などを洗う。
ちなみに毛皮は袋の代わりに使おうと考えている。
枕とかにもなりそうだし。小屋にもどったら使おう。服も丁寧に洗わないと。
今俺の服装は、実はジャージだ。村人の服とかでは断じてない。黒地に金色の線が入ったやつだ。いつも家ではこの格好だったのできっとそのまま召喚されたのだろう。
正直カッコいいと思って買ったのだが、いざ着てみるとなんか似合わないし、ちょっとカッコつけてます感があって恥かしかったので自宅限定で着ていたのだ。
それなのに寄りによってこのジャージで転移してしまうとは。異世界に来たのはいいが、せめて格好ぐらいは俺に決めさせて欲しかった。
正直、今恥づかしいです
考えてみてほしい。高校生が普通にモンスターのいるジャングルで黒いジャージ着て歩いてるんだ。さらに、血だらけで。
どこの人ですかって感じだよね。ちょっとTPO考えてと言われても仕方ない。まあ、言ってくれる人がいるなら是非会いたいけどさ。
体に着いた血も落とすため服を全部脱いでパンツ一丁になり、川で軽く水浴びをする。しかし、川に蛇とか鰐とかいたら怖いので素早く入って出て、体の水を落とす。
パンツを一旦脱ぎ、水を絞ったらパンツとズボンだけはいて、体が乾くのを待つ。
太陽に当たっていると、ふと思った。
「そういえば俺の体っていろいろ変わったけど、顔ってどうなっているんだろう。」
川の水は飲めなくはないが、ちょっと濁ってて汚い。
絶対、泥混じってる。汚いけどないよりはまし。味はすごいまずいけど。
試しに川を覗き込んでみるが、俺の顔は微妙に映らない。影みたいに顔のところだけだ。他の部分はなんとなくは映る。
髪はどうやら黒ではないらしい。ちょっと輝いているのでブロンドとか銀髪あたりではないだろうか? 個人的には銀髪であってほしい。
まあ、髪の色が変わるのも吸血鬼ぽくっていいと思う。
川の水面を眺めていると、水面がちょっと動いた。
「そうだ、魚とか釣れるかな?」
今更気が付いた新事実。
俺の腰には釣竿になりそうなウサギの尻尾がある。
これはいけるのでは?
ちなみに、ウサギの尻尾は伸びたままだ。
ウサギが死んだときに、伸びてたのでそのまま。
あの、伸び縮みができれば確実に釣りは楽なのだが。
はたして、どうやるんだ?
何か原理はあるはずだ。
異世界だし、きっと魔力的な何かが…
そうだ!魔力だ!
そうだよ、なんで気が付かなかった。魔法とか書いてあったじゃんゲームの広告に。
よし、じゃあまずは魔力の操作をって……どうやるんだ?
力を入れる?
「んんっ!」
尻尾を強く握っただけだ。特に何も起こらない。
うーん、はてさて。どうやるんだ?
瞑想でも、してみるか。
俺は胡坐をかいて、目をつぶり精神を集中していった。
十分後。
「はっ!わからない。うーん。」
小説とかだと、こういうの
[精神を集中して、己の中にある魔力をかんじるんだ!
わかりました、師匠!
うをおおおおおおお!
わかったぞ!やった!魔力が使えるように]
みたいな、感じで結構簡単に魔力操作とかできるのに。俺にはできないのだろうか。
まあ、川を見つける目的は。達成したし。小屋に戻るか。
俺は木の幹に付けた矢印のマークに従い小屋に向かった。
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結局、魔力はよくわからなかった。
小屋の中に入ってうんうん唸っていたが、全くわからなかった。
「そう簡単にはいかないか。」
今、俺は絶賛料理中だ。
何を料理してるかって?ウサギ!ウサギの肉だよ。
まあ、ちゃんと火で焼いてますよ。
火は自分で枝をこすって起こしました。
吸血鬼パワーで頑張ってこすったら結構簡単に火が付いた。
魔法じゃありません。そう、魔法では…(-_-;)
「あああああ、魔法が使いたい!!!」
ゴロゴロゴロゴロ
駄々っ子のように暴れるが、何も起こらない。
くっそ。通じないか。
俺の願いが届くような気がしたんだが、チラっ ( 一一)
空を見るが神様は俺に魔導書とかくれないらしい。
そういえば、神様といえば。
私、贈り物もらいました。
贈り物?
ないだいそれって、思うかもしれないがあれは小屋に戻ってきてすぐだった。
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「開けゴマ!はいっ、ドア出現。ありがとうございます。」
俺は出現したドアを開けると。
また、手紙が落ちていた。それと、箱と袋。
手紙を読むと。
「どうも、神様です。
おめでとう!よく戦いに勝った。
これは初めてモンスターを狩ったきみへのプレゼント。
アイテムボックスとアイテムポーチだ。
ゲームみたいに結構ものが入るから使ってね!
容量はボックスの方が多いよ!それに、箱とポーチの中は時間が千分の1の速さの時間だから安心して使ってね!でも、だからといってボックスの中とかに生き物は入れられないので注意してね!
では、異世界生活頑張って!
ps 前回説明し忘れたけど、この「見えない隠れ家」は半径10m以内にモンスターが入れないように結界が張られてます。人も君が許可しないと入れない特製品です。入れないといっても認識できないっというだけでなので注意してね。じゃあ大事に使ってね!
バイバイ!」
この小屋、無駄に凄いな。というか、認識阻害と結界はいいけど消える意味なくね?
「なんかわからないけど、ありがとうございます神様。」
この小屋の周りは取りあえずは安全なのか。あとでたき火して肉食おう。
じゃあ、早速持ち物入れますか。
俺は箱の中に最初の手紙とさっきの手紙、そしてウサギの素材とか石とか、入れておいた。そして、ポーチには小石をいっぱいいれて、愛用の棒は壁に立てかけておいた。
そして今回の戦利品、ウサギの毛皮は床に置いといた。
そのあと瞑想をしたりして、魔力の流れをつかもうと、一時間ぐらい頑張って今に至る。
「まあ、そもそもそんなに実際うまくいかないよな。異世界でもそういうのは同じなのか。現実はつらいよ。」
そうはいっても、身体的にはチートだから我慢するか。この種族になったおかげで楽できてるからな。そんなに現実辛くもないか。
ちょうどウサギが焼けたので、かじりつく。
「あちぃーけど、うめぇえ。あっ、そういえばいただいます。」
我ながら初めて兎を焼くが上手くできたと思っている。外はカリッと中はジューシー。うん、美味い。
異世界初の食事で俺はウサギはなかなかうまいことが分かった。これはなかなか進歩しているのではないか。俺ってば意外とサバイバルのセンスあるのかも。
今度兎がいたら、速攻狩ろう。
食べるのに夢中になってたら、気がつくと食べるところが無くなっていた。
「ふう、ご馳走様でした。結構食ったな。ウサギでもやっぱり丸々一羽は多かったかな。まあ、明日朝ご飯が食えないことを考えると、どっこいどっこいか。」
この後どうしよう。
川は見つけたし、食料も明日果物とか見つけに行くか。
「じゃあ、日も沈んできたし明日ガンバロー!」
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その夜。
「トイレ、行きたいけど。トイレ外に作る忘れたー!!それに外でするの怖ぇ~。ああああああああああああああああああ」
夜にトイレに怖くて行けなくてそのまま寝た結果、翌朝ズボンが濡れていたのに気が付いたのはここだけの話である。
実際、異世界にいったらトイレとかで困ると思うんですよね。
夜の森とかきっと安全だとわかっててもきっと怖いです。
モンスターいるし。
まあ、そんなこんなで実際異世界にいったらどうなるか、みたいな話でした。