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吸血鬼日記 ~異世界冒険譚~  作者: 城豹
第1章 異世界での日常
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第1話 テンプレ(?)の敵

異世界 1日目



気がつくと俺は薄暗い空間の中にいた。


取り敢えず状況を確かめようと思って起き上がり、辺りを見渡す。どうやらそこは小屋の中のようだ。

「ん?俺の部屋はどこいったんだ?」


状況を整理しよう。


まず、俺は自分の部屋で、ゲームを始めようとして…

あれ、そっから記憶がない

…わかった

そうだ、これは夢だな。

きっと、そうだろう。

いや、そうに違いない。


まあでも、やけにリアルな夢だよな。

意識もはっきりしてるし。

にもかくにも、動きますかね。


じゃあ、まず小屋の中でも捜索しますか。


と思ってはみたが、


小屋には特になにもなく、あるのは木でできた床と壁そして天井と、ドア。


天井には電球のようなものがぶら下がっていて、一応小屋の中が見えるぐらいには明るい。


まだ見つけてないものが、何かの影に隠れているって可能性もゼロ。見落としてるものもないし、小屋は本当に空っぽだった。


「えっと、このドアしかないんだよな」


まあ、とりあえず開けてみるかって…


「はあっ!?」


ドアを開いたそこは、見たことのない森の中だった


森といっても日本にあるような森ではない

全くもって知らない植物で構成されている森だ。恐竜が登場するあの有名な公園パークに出てきそうなやつだ


「ここどこだ?」


後ろを振り返ると、そこにはなにもなかった。


「はあ!?」


どういうことだ?


さっきまで、ドアがあったのに。


ドアが消えた…

うーん。どうしよう…

よくわかんない森に一人とか、どんな無理ゲーだよ…


そうだ。ここは昔聞いたおとぎ話みたいにすればドアが出現したりするんじゃないだろうか?


どうせ、駄目元で。


「開けゴマ!」


うん……やっぱりね。わかってたよ。


僕だってね、そりゃあ出ないってわかってたよ。

穴があったら…


「あっ!出てきた...」


数秒遅れてだが、出てきてくれた小屋にちょっと安心する。

これで知らない森でいきなり野宿にはならなくて済んだ。


…はあ。


一旦、小屋に戻るか。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



ドアを開けて小屋に入る。


さて、なにしよう。


ドアを丁寧に閉めて、後ろをみる。すると、床にさっきはなかった物があった。


「おいおいなんだこの手紙? やることないし、読んでみるか!」


突如現れた謎の手紙を拾い、床に胡座をかいて手紙を広げるが……


「暗くて読めねぇ。」


そう、部屋が薄暗くて読めないのだ。手紙は認識できるが、文字が見えない。


「もうちょっと部屋が明るかったらな〜。仕方ない外で読むか。外は幸いにも昼っぽいし。」


そう思って、立ち上がるといきなり上の電球が光った。


「やったー! これで、外に出なくて済むぞ!」


喜ぶところそこっ?と思いたいかもしれないが、実際何がいるかよくわからない森の中より小屋の中の方がいいのだ。

出なくて済むならそっちの方がいい。


では読もう。


「ようこそパンゲアへ

突然のことですが、今日から君はこの世界パンゲアで生きてもらいます。

ちゃんと入界手続きはしてあるし、君にも確認したから、まあ楽しい人生ゲームライフ(?)吸血鬼生ゲームライフ(?)を送っておくれよ

バイバイ

ps この「見えない隠れ家」はプレゼントです。」


「これ、隠れ家なんだ。」


っていうか、なんでここに手紙が落ちてたんだ?


ちょっと待て。この変な状況。

手紙にはパンゲアって書いてあるけど、あれってもしかして俺がやろうとしてたゲームのタイトル?

俺ってば、もしかしてネット小説みたいに異世界に転生したのか!!


じゃあ、自分の能力を見ないと!!


どうやれば出て来るんだ?


「うーん、ステイタス?」


ピコン!


名前 ブラッド

種族 吸血鬼 lv1

職業 無職


急に目の前に小さい画面が出てきた

って、情報少なっ!?


っていうか本当にゲームの世界なのか?


ブラッドか...やっぱり、安直だよな。

まあ、せっかくだしこっちの名前で名乗ることにしておくか。

というか、昔の名前が思い出せない。まあいっか、こっちの世界ではブラッドって名乗るってさっき決めたし。あんまり、デメリットはない。



「何はともあれ食料と飲み水を確保しないとな…小屋を出るか。」



俺はドアを開け小屋を出る。


「やっぱり、消えた。」


ドアはやっぱり見えなくなった。


「開けゴマ。」


出てくるか。

まあ、これで安心だな。


見失わないように目印つけとこ。

近くの木を爪で削ってみる。


「できちゃった。スゲー、俺の爪、堅ぇ~。」


吸血鬼の爪って堅いんだな。

小屋 →っと。これでオケー。

木の幹にちゃんとどこに小屋があるか示した。

これで、一安心。


ガオー


遠くから、何かの叫び声が聞こえた。


あたりを見渡すが近くにはいないようだ。


「ふう」


そうだな、よくよく考えると日本と同じように考えているが、ゲームの世界だしモンスターがいるかもしれないのか。

というかモンスターじゃなくても野生の動物でも十分に脅威だが。

イノシシとかでも俺は勝てないと思う。


うーん。


まあ、そうだな。


俺って何ができるんだろう。まあ、爪は堅いことはわかった。


確か吸血鬼は身体能力が高いはずだからからパンチも本気でやったらどうなるんだろう...?


でも、パンチか...

人や物を殴ったりしたことのあるやつは知ってると思うが、殴るとこぶしが痛くなる。

頭良く言うと、作用・反作用の法則で手にも同じだけのダメージが来るんだよな。

パンチは痛いと思うので小石を探す。

小石を思いっきり木に当ててみるか。

それでどのぐらい身体能力が上がったかわかるだろう。


小石♪小石♪


「あっ!あった!小石みっけ♪」


よし、じゃあ早速あの木で!


「せーの。おりゃああ!!」


パシュッ!!


ヒュッ!!


バキッ!!


パタパタパタパタ

クキャア、クキャア


「……」


えっと…木に思いっきりは投げたけどねぇ。


まさかね、木の側面に当たって木の幹が削れるとかね...


まあ、「人」ではなくなってしまったようだ。文字通り。


うん、これはいいことだ。そう異世界的にはいいことなんだ。


今の俺なら素手でもきっと熊を殺せると思う。


そりゃあ、言い過ぎか。


まあでも今の俺なら石さえあれば素手でもきっと熊を殺せると思う。

これは間違いない。


まあ、これでlv1か。

強いな吸血鬼。


「俺はなんて凄いもんなっちまったんだ」



その後、跳ねたり走ったりしたけど、なんかすごかった。

昔は木登りできなかったのに爪が鋭いから木に刺さって登れるし。

なんか凄い。これが吸血鬼のポテンシャル!


まあともかく、水を探そう。

この身体能力ならどこにでもいけるだろう。

まあ、危なかったら逃げれば大丈夫だ、うん。


これで、死んだらドンマイってな。


熊でも猪でもドンと来いや!


「ははっ。じゃあ、行きますか。」


俺は歩き出した。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


数時間後


水ね。

ないね。

どうしましょうか。


うーん。


今俺は、素手だと流石に危ないと思い、今着ているジャージのポケットの中にたくさんの小石を入れて、ちょうど見つけた朽ちて倒れた木の幹に座っている。

ちなみに手頃な木の棒も見つけ、杖兼武器として愛用し、俺の横に立て掛けてある。

まあ、武器としてはまだ使ったことないけどね(笑)


そんなことより、


「はあー。これからどうすればいいんだよ。動き回って喉は渇くし、腹は減るし。こっちに来たの夕飯前なんだよな~。」


頭を抱えて唸っていると


ガサッ


「ん!?」


なんだ?

横にある茂みから音が聞こえた。


ポケットに右手を素早く突っ込み、すぐに石を投げられるようにする。

もちろん左手で、木の棒を手繰り寄せるのも忘れない。


ガサガサ


「なんだ兎か…」


可愛い顔をした兎が顔だけを茂みから出してこちらの様子を伺ってきた。


よく兎のモンスターだとツノが生えているが、こいつは頭を見る限り普通だ。


大きさも普通そうだし大丈夫か?


「そういえば兎って食えるらしいよな…」


そうやって気を緩めて、仕留めようかなっと目を細めて考えていたら。


兎が全体を見せたッんん!!?


バシュッ!!


本能が危険だと知らせ体が勝手に自分のいた場所を離れる。


そのせいで、棒と、石を幾つか落としてしまった。


くっそ。

俺の座っていた場所にはデカイ鎌が突き刺さっている。


それがどこに繋がっているかを見るとあの兎のけつだった。


鎌の持ち手のある部分に2mぐらいの尻尾があり兎に繋がってる


鎌が小さくなり手の平サイズになると、兎はバク転して木の幹から鎌を外した。

外した途端、掃除機のコードのように勢いよく尻尾が縮み兎のケツに収まる。


移動中はそうやって邪魔にならないようにしてるのか。生命の神秘…って。


「なんだこの兎!!?ケツにデカイ鎌持ってるってモンスターかよ! ひいぇえええ ~」


そんな俺の叫びを無視して


兎が飛び跳ね、鎌を巨大化し遠心力を利用して、俺に突き立てようとする。


俺は負けじと右に転がって避けつつ、すかさず石を兎に投げつける


バキッ!


しかし、やはり闇雲に投げたからか兎には当たらず隣の木に当たってしまう


急いで立ち上がり体制を立て直す。


兎も鎌を小さくして俺を睨みつける。


あいつもどうやらこちらの出方を伺っているようだ



確実に石を当てれば兎にダメージを与えられるだろう。


きっと鎌に当てても同じだ。ぶっとい木も削れたんだ。動物の骨ぐらい砕けるだろう。


だが、どうやって当てればいい?

正直コントロールはよくないし、さっきたくさん落としたせいで石もあと残り2つしかない。


「これが絶体絶命ってやつか。」


それにあの鎌を避けるのも体力的にちょっときつい。

息が上がってる。

慣れない運動したあとだからやっぱり辛い。

どうするか。


そう考えていると、石はいつでも投げられるように構えているが集中していないことを見抜かれ、兎が鎌を俺の足に向かって水平に振ってきた。


俺の足をちょん切るつもりらしい。


「…ちょっと待て。そうだ!」


俺の頭に名案が浮かぶ

よしっ!


鎌が俺の足に迫る!


「ちょっと博打っぽいがやってみるか!」


俺はタイミングを計り跳ねる。

そして、鎌が俺の足の下を通り過ぎようとした瞬間!


バキッ!


「ギャアア!!」


足で思い切り鎌を踏みつけた。

さすが吸血鬼の脚力。いとも簡単に鎌を叩き割ってしまった。


兎もさすがに痛いのか悶絶してる。


俺は石を投げて止めを刺そうとポケットに手を伸ばす。

兎は俺のやろうとしてることに気づき慌てて、逃げようとするが俺が尻尾を踏んでいるため痛みと合わさりうまく動けない。



俺は石を振りかぶり、投げた。



パシュッ!!


ドスッ!!


「ギャアアアアアアア」




<経験値を得ました。天恵スキルにより経験値が増加します。種族レベルが上昇しました。


レベル上昇に伴いステイタスの観覧条件を満たしたので、ステイタス魔法のレベルが上がりました。


熟練度が一定の値をこえたので、

「投擲」スキルを得ました


条件を満たしたため、

職業 「狩人」 を得ました


職業 「狩人」の獲得によりスキル「追跡」のスキルが解放されました。>



突然頭にそんな音声が鳴り響く



「はっ?」



なんださっきの音。

言ってることがもろゲームのログだったんだが。


ステイタスがどうのこうの、職業がどうのって言ってたな。


とりあえずステイタスを確認しておくか。


「ステイタス!」



名前 ブラッド

種族 吸血鬼 lv 6

職業 「狩人 lv1」

スキル 「吸血 lv0」「投擲 lv1」「ステイタス魔法 lv1」「追跡 lv0」




なんかスキルの項目が増えてる!嬉しい!


ていうかlv0ってなんだ?

解放って言ってたような気がするし取れる可能性があるってことか?

ステイタスの情報が少なかったのはlv0だったからと。

ほう、納得。


まあ、とりあえずステイタスは置いといて兎はどうするか?


「っていうかうまそうだなおい!」


スプラッターなのに吸血鬼だからか?うまそうに見える。母ちゃん俺人間辞めちまったはw


「とりあえず、ちょうどいいし吸血してみるか。スキルのレベル上がるかもしれんし。」


靴についた血を払い、兎に近づく。

そして、その遺体を持ち上げ首にかじりつく。


ぺっぺっ!


くそ、毛が口の中に入った。うまく吸わないと、毛が口に入るのか。


俺は一つ賢くなたぞ


俺は噛みつくところの、毛を丁寧に手で取り除き。(デフォルトでカッターも指についてるし、結構簡単だった。)


「では、改めて。」


ちゅーーーーーー


ぷっは!


「なかなか美味いな。」


なんかうまくいえないが美味い。

やっぱり、新鮮だからなのだろうか。

まあ、ちょっとえぐみがあるが、それがまたいい。



<熟練度が一定値を超えました

スキル「吸血」のレベルが上昇しました>


「おおっ、レベルが上がった!なんか嬉しい」


そういえば、なんかさっきから体の調子がいいな。なんか今までの疲れが吹っ飛んだ気がする。

なんでだ?


…もしかして


スキル「吸血」の影響なのか?


調べられないかな?

うーん、まあいいか。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



名前 ブラッド

種族 吸血鬼 lv 6

職業 「狩人 lv1」

スキル 「吸血 lv1」「投擲 lv1」「ステイタス魔法 lv1」「追跡 lv0」



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




今回の敵は鎌兎でした。まあ、よく角ウサギが敵になることが多いので、ちょっとひねって鎌兎。角ウサギも出したいですね。

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