-two-
「ん―――!!」
背伸びをしながら私は夜の街を歩いている。
流石にさっきの格好で夜の街を歩くのは禁だ。
危ないだろ?
しかし…現在アキト達はコンサート中だし…。
あ、そういや…
バッグに手を突っ込んでみた。
ひらりと出てきたモノは今日の日付が書かれているチケット。
つまり私はコンサートに行けるという訳だ。
場所は…東京ドーム?
近くて良かったぁ…。
「よしっ!行くぞ!」
「は―…は―…」
やっとついた!!!
私はコンサートの警備員にチケットを見せてゆっくりと入った
もうあと少し……か。
私の席はアリーナ席。
運だけは良いもんで。いそいそと私は席に案内されるがまま座った。
「随分遅かったね」
「一応死んでたからね」
「は?」
隣の女は我が親友。
名前は由香というのである。つまりこのコンサートにいたから私が死んでいたという事は知らない……んじゃ?
彼女もまたパチクリと瞳を大きく開けてびっくりしていた。
これまた新鮮だね♪
「生き返ったって事?」
「うん」
「すごいね?!」
「すごいのか?良く分からないんだけどね」
笑ってしまった。
いや笑うシーンでは確かにない
由香は苦笑いをしてた。
ごめんね。
―***―
『みんな〜じゃあ最後の曲を歌うよ〜!!』
あ、アキトだっ!
良かった〜死んでない!
じゃあやっぱり違う…?ん?そっくりだよね?
まさか…
「ねえ由香、アキトに双子の兄弟とかいたりする??」
「え〜?」
「だから!アキトに…」
「キャアアアアっ!アキト様と目があった〜」
「もう…いいよ」
「???」
コンサート中の由香に聞いた私がバカだよ。
後で楽屋に忍び込むか。
それがいい。
双子の兄弟かも…。
悪魔天使って性別は男だよね?不安になるわ。
年齢は…何歳なんだろ。
???
あ、アキトが降りてきた。いつものハイタッチの時間になったんだな〜。
私も一応手を伸ばしてタッチをした。
あれ?なんか手の中にすっごく違和感がある。
開いてみると手の中に手紙みたいなのがある。
手紙…………?
「なんだこれ…?」
「どしたの〜?って晶?!それ楽屋に行ける紙じゃない!!どこで手に入れたの?!」
「楽屋に行ける紙?」
「い〜な〜」
「いや、今貰った…」
「誰によ?!」
「………アキト?」
きぇいいいいいい!!
と由香は叫びだした…。
うるさい………。
しかしナイスタイミングとはこういう事を言うのでは??
私はそれを握りしめた。
『今日は来てくれてみんなありがとう!!また会おうな!!』
はい、会いましょう。
ぺこりとお辞儀をしてアキト達は戻っていった。
と、すぐにアンコール。
歌手って大変だよね。
ワァァァァッ!!!
と、歓声が上がる。
再びchanceが出てきた。
カッコイいな〜。
『アンコールありがとう!ではあの曲を!!』
キタ――――!!
あの曲ってのは私がさっき風呂で歌ってた歌!
題名は『my girl!!』っていう歌だよ!!
超好きなんだよね!!
十分ぐらい熱唱してアキト達は戻っていった。
あ〜〜疲れた!!
楽しかったんだけどね。
「由香?私楽屋行くけど外で待ってる?」
「待ってるよ〜」
「分かった。サイン貰えたら貰ってきてあげるからね由香」
「ありがと〜!!」
由香に抱きつかれた。
その瞬間香水の香りがふわりとした。
いつも思うが由香はすっごくかわいい。
性格もスタイルも良くて私の自慢の親友でもあるんだよね♪
「じゃあね♪」
「行ってらっしゃい〜」
由香に見送られ私は楽屋の前に立っている。
あの紙を見せたら普通に入れたんだよね〜。
嬉しい。
てかドキドキしてる。
憧れのアキトに会える!
じゃなくて…私は確認をする為に来たんだ。
悪魔天使について…
コンコン
意をけして私は楽屋のドアを二回ノックした。
しばらくしてゆっくりと楽屋のドアが開いた。
受験大変です...




