別れを告げたエンディング
「ゲームの世界に運命の強制力なんてものはない。」
オトハは、ゲーム展開に恐れていた俺に向かってそう言った。
ことの始まりは修学旅行でのことだった。
混浴もあると聞いて、俺はかなり怯えていたのだ。
あるのに使わないだなんてことがあるだろうか?いや、ない。
さすがにそれは避けたいと思ったのだが、運命には逆らおうとしても飲み込まれてしまうのが定番というもので。
あらかじめ助けを求めておこうと、オトハに相談した。
俺を安心させるためだったのか、快く承諾した際に言ってくれたのだ。
「ゲームっていうのは選んだ選択肢によって、過去の出来事だって左右されることがあるじゃん。」
「ノベルゲームみたいなやつか?実は幽霊だったエンドやロボットだったエンドに分岐するような。」
「そうそう。だから、しっかり対処しておけばなんとかなるって。」
オトハのいう通り、少しゴタゴタはあったがなんとかなった。
それから何度も助けてもらったし、それに。
十分に青春できた気がしたんだ。
だから。
「オトハ、俺もゲームは終わりにするよ。」
「いいの?」
「新しゲームがやりたくなったからな。」
「わかる。私は、昔のゲームをプレイしたいと思ってた。」
彼女はまったく運が悪い。
弟が乙女ゲームだと言って渡してきたゲームがギャルゲーだったなんて。
それなのに神様が言うには、乙女ゲームっぽい役回りとしてこの世界に飛ばされてきてきたというのだから紛らわしい。
女にモテるよりは良かったのかもしれないが。せめて好みのキャラぐらい用意してあげてもよかったのに。
「でも、リュウマは誰に告白するの?手伝おうか。」
「大丈夫だ。上手くいったらだけど、すぐに終われるかもしれない方法がある。」
本当に運が悪いなと思いながら、彼女の前に立った。
「俺と付き合ってくれませんか。」
オトハは一瞬驚いたが、意図を理解して頷いた。
喜んで、という返事を聞き終わる前に目の前が真っ白になっていく。
最後まで聞きたかったんだが、残念だ。
「これでも一応、生まれてはじめての告白だったってのに。」
真剣な告白をしてからの現実世界で。
どこかへ消えたゲームのパッケージのことを考えながら、なんとなくでゴミ捨て場へと寄っていた。
そこで再び彼女と出会う。
あ、そういやここで会ったんだっけか。
じゃあ住んでるところは近くじゃないかと苦笑いすると、彼女の方からも笑い声がする。
これからがまた大変だなと、頬をかいていた。
「オススメのギャルゲーとかありますか?」
「やるの!?」
「弟がプレイしてるので多少は。」