馴染めぬ友人
「お兄ちゃん準備できた?そろそろ葵くんが来る頃だよ。」
「アオイくん?ってーとぉ、どちらの葵くんだっけ?」
「何?その冗談。もう、お兄ちゃんの幼なじみの葵くんでしょう。」
「あー。そうだよなーうんうん。」
「今日は変だよお兄ちゃん。熱でもあるんじゃない?」
「だっ大丈夫!大丈夫だよ!あはは。」
なんとか誤魔化しながら会話を続ける。
でもまだ妹の名前がわからない時点で大丈夫じゃないかもしれない。
いやでも、この世界には早く慣れないと。
しかし、その葵氏とは一体どんな奴なんだろうか。
「あっ、ほら来たよ。葵くーん、おはよー!」
「よお未央、それにリュウマ。今日は外で出迎えてくれるだなんて、珍しいな。」
「・・・あ、葵?」
「なんだよリュウマ。変な顔して。」
変な顔にもなる。
妹の名前がわかったのはいいが、新たな謎が生まれやがった。
こいつが、葵?
こいつ女じゃないか!?顔といい声といい。いやでも、妹はくん付けで呼んでるし、男口調だし、言われてみれば中性的な顔だし。
いやいや、ここはゲームの世界だ。
男のふりした女、というのもありえなくない。
「何ぼけーっとしてるんだ?ほら行くぞ。」
「あ、待ってくれ!」
学校までの道順知らねーから置いてかれると困るんだよ!
妹の未央のおかげでついていけるが、たぶんこいつめっちゃ足取り早い。
っと。それはともかく、学校につくまでに情報を集めねぇとな。
「なぁ葵、お前体育の授業って・・・。」
「え!?ま、まだまだまだ無理だって。まじで体弱いんだって!そう簡単には出られるようにならねーよ。」
これは当たりだろ!女だろこいつ!女ってこと隠して生きてるだろ!
現実だったら無理あるんだろうな。そうでないこの世界でも大変だろうに。なんで男のふりなんか。
うーん。気になる。
「でも葵くんが体弱いなんて意外だよね。」
「そ、そんなことより!今日は転校生が来るんだろ?リュウマのクラス。どんな奴だろうな。」
「お、おう。そうだな。」
葵とは別のクラスだったらしい。
学校についてから一応見知った二人と別れることになってしまい、俺は自分のクラス?で席もわからずおどついていた。
「うっわぁ。まいったな。」
「どうした。なんでそんなところで突っ立っている。」
後ろから声をかけられ、驚きながら振り向いた。
そしたら余計に驚いた。
服がおかしい。豪勢だ。しかも髪は金髪。
偉そうな態度だというのに、女子からの黄色い悲鳴が聞こえた。
「おい来たぞ、王子様が。」
「相変わらずモテてるなぁ。顔が良いもんなぁ。」
「しかも大金持ちってんだから、世の中不公平だよな。」
なるほど、おぼっちゃんキャラか。
やっかいな奴に絡まれたもんだ。ここは穏便に対応しよう。
「突っ立っててすみません。今はどきますんで。」
「何故敬語を使う。いつも通りでいいんだぞ?」
「へ?」
「どうせまた女性関係で悩んでたんだろう。そういうことは俺に相談しろと言ってるだろ。」
おいおい、王子様がやけに馴れ馴れしいぞ?
しかもこの態度。まさかと思うが。
「女性については、この俺様ほど知ってる者はいないだろうからな。任せておけ。」
あぁこれたぶんあれだ。
女の子についての情報を教えてくれる男友達ってやつだ!
最初は葵がそれかと思ってたんだが、こんな奴がそれだなんて!
「まじかよぉおおおお。」
さっきから何なんだよこのキャラ設定はぁあああ!
絡みにくすぎだろ近辺が!
「まったく、おかしな奴だ。」
あぁ、妹に会いたい。