目覚めドッキリ
ジリリリリ・・・
目覚まし音がうるさく鳴り響く。
一体何の音なんだと、眠気の覚めぬ頭で考えながら面倒くさいが目を少し開けた。
そこには目覚まし時計があった。
当然だ。目覚まし時計なのだから人様を起こすためにジリリリリと音をなり散らすのは。
だが、待って欲しい。俺はこんな目覚まし時計を持っていない。
母が勝手に買ってきたのだろうか。
って、おいおい本当に待ってくれ。
「ここ、どこだ!?」
自分の寝ている部屋を見て一気に目が覚めた。
ここは、俺の部屋じゃない。
ベランダなんてものもあるし、布団で寝てたはずなのに今はベットの上にいる。
夢か幻か。それとも自分は寝ぼけているのか。
混乱していると、誰かが階段を上ってくる音がする。そもそも俺の部屋は一階なので違う部屋であることはもう確定だろう。
やばい、と俺の脳がつげる。不法侵入とか言われたらどうしようもない。
とりあえずベランダに逃げることを思いつき、ベランダの窓に手をかけた。
「リュウマお兄ちゃん起きたのー?朝ごはんもうすぐできるからね。」
ドアの向こうから女の子の声がした。その子は一声かけると、階段を下りていったようで遠ざかる足音に安堵した。
・・・リュウマ?俺のことか?
たしかに俺には妹がいる。が、あんな声じゃない。っていうかあんな優しい言葉をかけてくれる子ですらない。
一体自分の身に何が起きたのだろうと考え込んでいると、机の上においてある写真を見つけて驚いた。
「は!?これってまさか、そういうこと?大掛かりのひっかけじゃあるまいし。」
頭に浮かんだ可能性があまりにありえなすぎて否定する。が、そう考えると全て納得がいく。
真相を確かめるべく、ドキドキしながらも俺は階段を下りてそっと彼女が料理をしている台所を覗いた。
「まじ、かよ。」
「あ、お兄ちゃん。おはよう。今日は早いね。」
そこにいたのはまちがいなく俺と一緒に写真に写っていた子で、かつ俺がゴミ捨て場で拾ったゲームのパッケージに描かれていた女の子だった。