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始まりはゴミ捨て場

「あぁよかった!まだあった。」


真夜中のゴミ捨て場。

一人の男がそこのゴミをあさっているさまは、運悪く発見されれば通報されかねない状況である。

しかし、俺はどうしてもそうしなければいけなかった。不審者に思われようが、どれだけ外が寒かろうが

全ては、自分の持っていた宝物を見つけるためである。


「よし、この袋の中に全部入ってるな?な?」


ゴミ袋につめられていたのは、俺がそれはもう大事にしてきたゲームたち。それもギャルゲーである。あと、フィギュアとかも少々。

ここにあるものだけではない。自分の部屋にはまだまだ沢山のコレクションがある。

どれもこれも、今まで大切にしてきたものだ。

だというのに俺の母は「リュウマ、もういい加減に卒業したらどうなの。」と言い放ち、あろうことか外出中に部屋の者をかたっぱしからゴミ袋に入れて捨ててしまったのだ!


「まったく、わざわざかき集めやがって・・・どこか壊れてないよなー?」


あの母のことだから乱暴に扱った可能性は高い。すぐにでも全部を確認したかったが、とりあえず家に帰ることにした。ここから早く離れなくては。

そう思いゴミ袋をひっぱりだすと、何かが拍子に地面に落ちた。


「ん?これは・・・ギャルゲーか?」


暗くてよくは見えないが、たぶん自分のものではない。

しかし、ここにあったらゴミとして回収されてしまうだろう。

少し悩んだすえに、一応自分の荷物、もといゴミ袋と一緒に家に持ち帰ってやることにした。


計画は無事成功。

鍵を閉められることもなく、俺は自室に帰り捨てられた私物全ての回収に成功したのだ。

ちょっとした達成感はあったが、俺の頭の片隅には一連の行動においてひっかかって消しきれぬ記憶が残っていた。


ゴミ捨て場で見つけたあのギャルゲー。

あのギャルゲーを拾った調度その時に、誰かが気まずそうに通りかかったことを。


うああああああ!あのギャルゲーさえ発見しなければっ!悩まず取っていれば!


そもそもなんでこんな真夜中に外出歩いてるんだとか、逆に文句を言いたくなったが終わったことは仕方が無い。

俺は気を取り直して、その人物が「夜中にゴミあさってた」とか「ギャルゲー拾ってた男の人相は」とか言うほど無駄にお喋りでないことを祈りながらゴミ袋の中身の確認を始めたのだった。

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