第1話 動き出したstory
最初は真面目に
俺、神威 隼は今、政府機関にいる。
15歳の俺が何をしているかって?
それはだな…、この世界に能力者という特殊能力を持った人間がいて……監視する能力を持った……
まあ…、あれだ、管理者だ。
え?答えになってない?
まあ、そういうときもある。
今、俺は呼び出しをされ、AMSの中心部にいるから、思考回路が不安定なのかもしれない。
「ひま…葵さん、何ですか?」
「おう、シュン、任務命令だ。そういえば、お前にとっては初めての任務じゃないのか?頑張れよ。」
そう俺に言ったのは俺の上司、向日 葵。通称、「ひまわり」だ。
「はい。頑張ります!で、任務は?」
初任務ということもあって、胸の高鳴りから声が弾んだ。
すると、ひまわりは任務内容を伝えてくれた。
どうやら、能力の中でも世界最強とされている、【操光】(光の速さ、光速を操り、使うことができる能力)を持った少女、速咲 光と同居しながらの監視だという。
…………。
重ぇぇぇぇぇ!
いや、普通、最初の任務って簡単なものじゃねぇの?
調査員に弁当渡すとかそういうの。
というかこの任務、新人の俺がやるようなもんじゃねぇだろう!
「おいおい、そんなこと言うなよ。」
どうやら、最後の一文を声に出していたようだ。
「すみません。でも、本当に僕でいいんですか?」
「ああ、勿論。彼女の学年は高1。原則として重要能力者は同居して監視しなければならない。ここでその学年にあった奴を探したら、お前しかいなかったってわけ。」
「なるほど。でも、コミュニケーション訓練は一年間しかやってませんよ。」
「大丈夫。これを持って行け。」
と、ひまわりが言って出したのはでかいスーツケースだった。
「これは?」
「それは、監視者専用【七つ道具】だ。7つあるか確かめろ。」
俺が開くとそこには
タブレット,イヤホン,資金使用カード,証明書,能力者感知レーダー,睡眠銃,何かの本があった。
「はい。7つあります。」
「よし。じゃあ早速、明日、対象者速咲 光に会いに行くぞ。」
「え…まだ心の準備が出来てないんですが。」
「一晩越せば準備完了するはずだ。」
「んな、アホな…。」
(@_@;)
夜だ。もう寝よう。
荷造りを終えた俺は、ベットに寝転がった。
そういや、【七つ道具】の中身、確認していないや…。
ま、いっか。
そんなことよりも…
能力者ってどんな人だろう?
勿論、能力管理者養成学校では能力者の写真は見せられた。
しかし、実際に能力者に会ったことはない。
やはり、オーラが違うのだろうか?
行ってみないとわからない。
考えても無駄だ…。
「寝るか!」
声に出してたぜ。
………
zZZ
(ー_ー)<zZZ
「はあ…。朝だ」
よく寝てない…。
今日はひまわりに8:30に南光町駅集合と言われているので、今日はいつもより1時間早い7:00に起きたからか、体が重い。
昨日、いろいろ能力者について考えたが、結局、「行ってみないとわからない。」が、結論だった。
その結論が今の俺をワクワクさせた。
8:00、俺は家を出た。「10分前到着」が俺の座右の銘なので、18分かければ着くところをなんと、30分前に出発していた。
…凄いな、俺。
いつの間にか、顔がドヤ顔になってた…。
(^_^)<ドヤッ
8:25、「早いな、シュン。」
と言いながらやってきたのは、ひまわりだった。
「で、ここからどこへ行くんですか?」
「ああ、そこのマンションの3階だ。」
と、ひまわりが指差したところに確かにマンションがあった。
「駅から近いというか、もはや駅の一部ですね。」
「まあ、そうだな。じゃあ、早速行くぞ。」
「はい!」
「そういえば、昨日の迷いはなくなったか。」
「ひm…葵さんの言った通り、一晩越して、吹っ切れました。」
「そうか。」
「そういえば…葵さんは、能力者に会ったことはあるんですか?」
「…ある…(ブツブツ)…。」
なんか、ひまわりらしくない呟きだ。
「どうかしたんですか?」
「い、いや、なんでもない。」
どうやら、呟きじゃなかったようだ。
そんなやりとりをしながら、歩くこと2分、対象者「速咲 光」の部屋の前に着いた。
ぴんぽ~ん
ひまわりがベルを鳴らした。
……出ない…。
「確かに、明かりは点いてるはずなのに」
「点け忘れかもな。よし、タブレットと能力者感知レーダーを出せ。」
俺は言われるがままに、スーツケースからタブレットを取り出した。
「アプリの能力者レーダーを立ち上げ、能力者感知レーダーと無線接続しろ。」
ひまわりの手順に従ってやると、この建物の立体構造図と赤点、青点がタブレットに表示された。
「これは何ですか?」
「青点が能力者感知レーダーがある場所、赤点が能力者の位置だ。」
そう言われて改めて確認すると、赤点は目の前の部屋の中にあった。
これを見たひまわりは
「これは、居留守を使っているな…」
「え、どうして?」
「彼女に何か理由があるのだろう。とりあえず、しつこくトライするぞ。」
「は、はい。」
ぴんぽ~ん…
ぴんぽ~ん、ぴんぽ~ん…ムカッ…
ぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽん…
「やめろ。シュン。」
「すみません。でも-」
次の言葉を発する前に俺は言葉を失った。
扉が開いたからだ。
次いで、その扉から長い黒髪、青紫色の目を持った整った顔立ちの美少女が出てきた。
「やめてくれますか。」
と、言って彼女は扉を閉めた。
これはマズい、と反射的に手がドアノブを掴んでいた。
「放してください!」
彼女が荒々しく声をあげた。
「少し、こちらの話を聞いてもらえないかな?」
と、ひまわりがゾッとする声で言った。
彼女はビックリしたのか(正直、俺もビビッた。)、「ヒッ」と声をあげ、
「戦意はありませんよね?」
と、彼女は聞いた。
「ああ、全くない。」
ひまわりがそう答えた。
「そっちの人は?」
「安心しろ。私の部下だ。」
と、言うと
「分かりました。じゃあ、入って下さい。」
と、彼女は入室を許可してくれた。
そして、この後、彼女に能力の事等を話すこととなった-
to be continued…
後から、笑い部分