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リブートオブアーク ―科学と魔法が交差する王国再建戦記―  作者: 和幸雄大


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第二部 第80話 七聖会議

テンレア同盟。

七聖議会室。

絢爛な装飾に囲まれた巨大な円卓。

その席に、七聖が静かに座していた。

最初に口を開いたのは、アルディアスだった。

「アルヴァ砦」

短く言う。

「陥落」

机の上に報告書が置かれる。

室内の空気が、わずかに揺れた。

ミハイマールが静かに指を組む。

「聖導軍守備隊は?」

ジュリアが肩をすくめた。

「壊滅」

短い言葉。

だが、その意味は重い。

アンリエットが目を伏せた。

「……予想より早いですね」

エミリオが報告書を指で叩く。

「問題はそこじゃない」

紙に書かれている言葉。

――レグノル再建軍。

「民が動いてる」

エミリオは楽しそうに笑う。

「秩序に対抗した混沌か」

リンシアが小さく息を吐いた。

「英雄が現れれば」

静かな声で続ける。

「民は動くものです」

アルディアスが低く言う。

「秩序を乱す存在だ」

「もう放置はできない」

机の中央に地図が広げられる。

リーデル。

グラナス。

アルヴァ。

三つの地点を結ぶ線は――

レグノル王城へ続いていた。

ミハイマールが静かに言う。

「次は王城ですね」

アンリエットも頷く。

「象徴としては十分です」

「王城を奪われれば、民衆の士気はさらに上がる」

その時。

ジュリアが扇で机を軽く叩いた。

「一つ」

「気になることがあります」

全員の視線が集まる。

ジュリアは地図を指でなぞる。

リーデル。

グラナス。

アルヴァ。

「この三つ」

「同じ現象が起きている」

リンシアが目を細めた。

「……黒い染み」

ジュリアは微笑む。

「ええ」

「私の計画にはない駒です」

アルディアスが低く言う。

「何だ、その染みとは」

ジュリアは肩をすくめた。

「わかりません」

扇の奥の目は笑っていない。

そして静かに言った。

「ですが――」

ほんの一瞬、言葉を切る。

「世界が」

「動いている」

リンシアが小さく笑う。

「確かに」

「私達の秩序で守られていた世界が」

「動き始めています」

アルディアスが告げる。

「レグノル城の守備に出る」

視線が巡る。

「俺」

「ミハイマール」

「エミリオ」

「ジュリア」

短く続けた。

「四人で行く」

誰も反対しなかった。

七聖四名の出撃。

それは、この戦争が新しい段階へ入ったことを意味していた。

会議が終わる。

廊下を歩きながら、リンシアは窓の外を見た。

テンレアの旗が、風に揺れている。

ぽつりと呟く。

「正念場ね」

わずかに微笑む。

「セリナ」

レグノル。

七聖。

そして――

未知の存在。

世界は静かに

次の戦場へ向かっていた。

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