12月30日
あの人の言葉が、
嘘だったと知った。
声のトーンも、
間も、
あのとき信じた理由まで、
全部ちゃんと覚えているのに、
裏切られた事実だけが、
妙に軽く扱われていた。
その瞬間、
悲しむより先に、
自分の中で何かが引いた。
音を立てないブレーキみたいに。
ああ、
もう無理なんだな、
と思った。
人を信じることが、
じゃなくて、
何もなかった顔で
信じ続けることが。
そのあとで気づいた。
私は人を疑うようになったんじゃない。
自分を守る速度を、
やっと覚えただけだ。
信じられなくなった自分は、
壊れたんじゃない。
一度、ちゃんと傷ついただけ。
だから今日はこれを記す。
次に同じような言葉を聞いたとき、
無理に笑わなくていいように。
───もう、賭けない。
それだけで、
今日は十分。
今日を無事に生きれた。




